牧村 一人『君を憶えてる』

君を憶えてる

君を憶えてる

まだそんなに多くの作品を読んだわけではないものの私にとって牧村さんは「カッコいい女を描く人」というイメージなのですが、でもこれは高校二年生の男の子が主人公の青春小説ってなことでどんな感じになるのだろうか?と思いながら読み始めたら速攻でカッコいい女の人が出てきてホッとしました(笑)。で、青春小説を読んでいるつもりがいつの間にかSFホラーになってて、え!?これどうやって収拾つけるよ!?と思ってたら最終的にキッチリ青春小説として、ボーイミーツガールで〆てて驚いた。物語の鍵を握る少女の扱い方というか、長い長い時間を過ごした少女の最終的な目的、最期の時間の過ごし方もすごくよかったし。
この人きっと風呂敷の畳み方が巧いんだなぁ。そう考えるとこれまでに読んだ作品も設定・展開ともに結構トンデモであるのに最終的にしっかりまとめてくれてたし、内容(ジャンル)に関わらず外れがない作家さんなんだな。ヨシヨシ。