- 作者: 水生大海
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2014/03/26
- メディア: 単行本
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主人公にとって学校や家庭以外の『居場所』であるSNS内のチャットがもうちょっと主人公の現実に関わるとよかったかなぁ。ここでの会話がヒントになって事件の真相に辿りつきはするんだけど、そもそも主人公がなぜそうまでして事件に首突っ込むのか心情としてピンとこなかったし(父親との会話から“そういう性格”であることは読み取れるけど、それだけじゃ弱い)、主人公が転校生であること、転入生でありまた別の学校へ転校することが予めわかってる特殊な立場であること、それが物語の中でさしたる意味を持ってないんだよね。主人公の推理力を知らなかった=主人公がどういう人間なのか判らなかったからこういう結果になったということではあるけど、それだけじゃなく外の視点、主人公が外から来た人間であるからこそ事件の真相を見抜けたとかね、チャットの仲間を絡めつつその設定がもっと活きればよかったのにな。