舞台が日本で日本人に置き換える以上どうやっても満足のいく映像化は無理だとわかってはいるのでそういう意味では気軽に見られました。
でも思いのほか浅野忠信が良くなくてだな。黙ってればハードボイルドな“雰囲気”あるけど喋るとなんとなく漂ってた色気が消えてしまうのが残念すぎる。
あとタフさとチャーミングさが感じられないのも。おそらくデカデカと見出しになってる新聞を当人の目から隠そうとアタフタするのがソレにあたるんだろうけど、やってることは解るんだけど気持ちとして伝わってこないというか・・・ハッキリ言っちゃうと「つまんない男」って感じなのよね。
まぁそれは全部「フィリップ・マーロウ」だと思えばのことで、これは「増沢磐二」という男なわけだからそれを求めるのは間違ってるのかもだけど。
でも続けて見たから単純比較しちゃうけど、バーのカウンターで酒を飲む浅野忠信と綾野剛よりもバーのカウンターで酒を飲む石橋蓮司とオダギリジョーの方が断然エロかったのは確か。
でも蓮司とオダギリさんの間に『そういう空気』はなかったけれども忠信と綾野くんは間違いなく『そういう空気』だった。マーロウとテリー・レノックスの間にそういう空気は感じなかったけど(今、“こういう人間”になってしまった今のわたしが読み直したらそういう空気を感じるってか無理やりにでもそういう空気を嗅ぎ取るかもしれませんがw)忠信と綾野くんにはビンビン感じる。
つまりそういうことだろコレ。
雨の中手切れ金と財布投げつけられたボロ雑巾のような綾野くんを拾った瞬間、忠信の運命は決まってしまったと、そういう話だろうコレ!!。
オーケイわかったそのつもりで見るぜ(←ハードボイルド調でw)。
いやでもほんと、綾野くんのこういう頽廃した男の役は最高だね。忠信が「惹かれる」気持ちが超わかるもん。気の向いた時にフラッと現れ酒を奢り合いするフルネームも知らない男。とことんダメでクズな男だけど、放っておけない。その気持ちがすっごく分かる。同じクズを演じても博己くんは「クズ野郎」なんだけど綾野くんは「クズ男」なのよね。この違い伝えるの難しいんだけどw。