十市 社『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』

クラスで「幽霊」扱いされている男子生徒が席替えで前の席になった女子生徒に話しかけられ、一緒に放課後の図書室で文化祭の調べものをすることに。・・・というボーイ・ミーツ・ガールものですが、内容は結構ハードでした。特に女子生徒・高町の抱える事情が。でも殊更にそれを強調するような感じではなく、むしろ淡々としているといか抑制されているというか、そんな文体であるせいか読んでる間も読み終わった後もそんなに厭な気持ちにならなかった。高町の両親の行動を除いて。ここを除けば青春物語として読めるんだけど、高町家族の話はさすがに重すぎて。あ、あと架のことが書かれた新聞記事の真相。労力をそんなことに使うなよと。
始めて読んだ作家さんですが、文体も話の運び方も好みな気がするので次作も読みたい。