『仮面ライダー鎧武』第20話「世界のおわり はじまる侵略」

ようやく視聴者に対しても明かされたミッチが見た驚愕の真実。それはまさにタイトル通り「はじまる侵略」でありそれは「世界のおわり」を意味するものだった。
そしてミッチに続いて紘汰と戒斗がそれぞれ別ルートでその真実を知らされ、同時にヘルヘイムの森とユグドラシルの関係性、真実に対するユグドラシルの考え方であり進むべき方向が語られた。
でも決定的な違いがある。
それは、紘汰に説明したのが呉島貴虎であり、戒斗に説明したのが戦極凌馬であるということ。共に「ユグドラシル」という企業に属する者でありながら、両者の「思惑」は全く異なる。
貴虎曰く「インベス(ヘルヘイム)に対抗しうる力を持つ者だけが戦えばいい。真実を公表する必要はない。なぜなら力を持たない者達が絶望的な真実を知らされたとして対抗する術はないから。愚かで弱い人間たちはむしろ自ら破滅を促進するような行動に出るだろう。だからユグドラシルは真実を公表しないし、ユグドラシルが有する『力』を共有する気もない。ユグドラシルに大人しく守られていればいい。このままでいけばあと10年で滅びるであろう世界に未来があるならば、ヘルヘイムと戦って生き延びたものだけがその未来を掴めばいい」
わたしなりに要約すると多分貴虎さんはこんなようなことを言ってたと思うのだけど、貴虎さんの言い分はまぁ・・・・・・とりあえずは理解というか、納得は出来る・・・・・・かなぁ。本当にあと10年ぐらいしか猶予がなく、対抗する手段がアーマードライダーという「マンパワー」による排除(焼き払い含め)しかないのならば(神木目当てで舞の実家神社を潰し戒斗さんちの工場を潰ししてたのって10年とかそれぐらい前のことだよね?。てことは少なくとも10年前からヘルヘイムの研究、対抗手段の開発を行ってるということになると思うのだけど、10年かかってこの成果かぁ・・・)、そして沢芽市ほどではないにせよ世界各地でも同様の「侵略」がおこりつつあるのならばせめて政府レベルにはその情報を伝え現時点での対抗手段である黒影トルーパー要員の確保を求めるべきなのではないかなーとは思うものの、また戦うことはできずとも自分の身を守る努力をさせるためにもせめて怪しい果実には手を出さないことと怪物によって傷つけられたら身体から植物が生えるかもしれないから気を付けろぐらいの情報は世界中に通知したほうがいいんじゃないかなーとも思うものの、でも何ら力を持たない一般市民に真実を伝えたらパニックになってユグドラシルの侵略完了を待たずして地球終わるぜ?ってな見方は一理あるかなーと。
だって沢芽市を見てみなよ。市内のあちらこちらに怪生物が頻出し、その怪生物に襲われた人間は植物化し続けてるというのに、相も変わらずビートライダーズは「俺達が呼び出したインベスじゃない」とか言ってるし、オカマと眼鏡はそんなビートライダーズに街の人々の「悪意」を向けようと挑発し誘導してるし(城乃内にとって合同ダンスイベントってなんだったんだろうね・・・)、街の人々もそれに乗っかっちゃうし、ついでに言えば舞たちは暢気にダンス練習してるわけでさ、まさに『愚か』じゃん。こいつらがあの滅ぼされたかつての都市を見て「あと10年」と聞かされたら暴徒と化すであろうことは想像に難くないもん。
まぁそんな状況を作った張本人は貴虎(ユグドラシル)なわけだから、大層なこと言ってるわりにやってることがコレってどういうこと?とは思うけどさ(笑)、でもまぁ真実を公表しないというユグドラシルの判断は間違ってない、と思う。今のところは。ミッチもそう思ったからこそ兄の代わり・・・なのかな?以前は兄がしていた仕事を今はミッチが担ってるということなのだろう。
で、今回貴虎さんが葛葉紘汰に真実を話すことを決意したのは、「力を持つ者」として共に戦う決意はあるか?と、それを問うためだったんだよね?。問うというよりも、真実を知った上で戦う覚悟・意思を求めたと言う方が正しいか。
それは凌馬やミッチの口車に乗せられてドライバー回収を断念したからってこともあるだろうけど、貴虎さんにとって愚かなモルモットでしかなかった葛葉紘汰が今では重要な「戦力」となりうると認めたからこそのことでもあるのでしょうが、確かに経験積むことでアーマードライダーとしての戦闘能力は上がったかもしれないけど、でも・・・でも紘汰さんって致命的なまでに「馬鹿」なのよねぇ・・・(笑)。
だから紘汰が貴虎さん=ユグドラシルの方針を理解することはないのだろう。理解できないだけの明確な理由ももたず、ただ「俺は納得できねえ」とかなんとか子供の言い分でもって貴虎さんのすることを邪魔するんだろうなーと思ったら予告で早速「ユグドラシルの思い通りにはさせない!」とかなんとか言っててもうねw。この真実を見せられここまでの話を聞いてなお思い通りにさせないと言うならばじゃあそれに代わる代替案をお前は持っているのかと。ガキに力持たせるとロクなことになんねーよなぁ・・・・・・と思いつつ、でもそもそもガキに力与えたのは貴虎さんなわけで、なんだかねー(笑)。
つーか目の前にいるインベスが元は生物だったと知って戦うことを躊躇ってたけど、じゃあおまえ初瀬ちゃんのことはなんだと思ってたんだと。あれが初瀬ちゃんだけに起こった特別なことだと思ってたのか?。つーかこの話を聞いてもなお裕也に起こったであろうことに思い至らないのか?。物語も半分近くきてるってのに一番理解できないのが主人公の頭の中ってほんとどういうことなんだろうね。
そんで次点はもちろん戒斗さんな。
いや、戒斗さんの考え方そのものは解る(と思う)んだけど、「嘘で塗り固められた世界などいっそ壊れてしまえばいい」とか言いつつ他人の研究資料である果実を握り潰すとかこの人の言うことなすことが二十歳すぎた男の言うことやることじゃねーだろwwwという意味での「おまえの頭ん中どうなってんの?」ねw。今回はついでに興奮しすぎで何言ってんだかわかんねーよwってのもあったしw。
思い出(初恋)の場所が奪われたのみならず利用されていることを知り「踏みにじられたもののことを考えたことがあるのか!?」と激怒する戒斗さんですが、次の瞬間「ユグドラシルによる侵略はむしろ絶好のチャンスだ」「強い者だけが生き残ればいい」って、生き残れなかった弱い者は踏みにじられた者とは違うんですか戒斗さんw。ほんとはそんなこと思ってるわけじゃないのについつい憎まれ口叩いちゃうとかそういうヤツですか?戒斗さんw。
で、そんな戒斗さんを利用する気マンマンの悪い大人たちは最終的にそれぞれ相手を蹴落としてでも「禁断の果実」を手にするつもりのようですが(それがサガラの言う「森に選ばれる」ってことなのか?)、とりあえず現時点では駆紋戒斗くんを取り込むことで意見が一致してると。凌馬たちが戒斗に全てを説明し取り込もうとした理由、戒斗の評価理由は“強さへの歪みまくった執着心”であるわけで、凌馬たちがそれをどんなカードとして使うつもりなのかは気になる、かなぁ。いや気にならない、かなぁ(笑)。
それはそうとしてさ、ジェネシスドライバーを手にした4人のうち3人が私的な目的というか『野望』のためにその力を使おうとしてるわけだよね。「ヘルヘイムから世界を守る」という本来の目的に従ってるのは貴虎さんのみだと。この事実もまた貴虎さんの言う『力』を得ようとして争いが起きるだろうという予測の補強になるんだろうなーと。貴虎さんはきっと・・・恐らく・・・多分・・・・・・役付きの部下たちが全員自分を裏切り蹴落とすつもりでいるなどということには気づいてないんだろうけど、みんなで力を合わせて一致団結などという紘汰の言い分がたった4人にさえ通用しないということを身を持って証明してしまっているわけで、兄さんの置かれている状況に心が痛い・・・。


で、どうにもこうにも違和感を覚えるのが貴虎さんのキメ台詞である「理由のない悪意」なんだけど、ようやく明らかになったヘルヘイムの森の真実(をユグドラシルがどこまで解明・把握してるか)を見る限り、わたしにはインベスやヘルヘイム(ってのがあの植物の総称ということでいいのか?)に『悪意』があるとは思えないんだけど。劇中で凌馬が「外来種」という言葉を使って説明してたけど、たんぽぽは別に元からそこに生殖していた種を悪意を持って駆逐しようとしてるわけじゃないでしょう?。植物はみんな本能でもって繁殖しようとするんであって、その結果外来種の方が在来種よりも種として単純に純粋に強かったってだけだよね?。そこに「意思」はない。ゆえに「悪意」を持ちようがない。
ていうかむしろ意思を持ってインベスを扱ってたのは人間の方だよね?。わたし当初インベスに対し「何も悪いことしてないのに人間の玩具にされた挙句殺されるなんて可哀想」と思ってたんだけど、そういう意味では人間の方こそ「悪意」を持ってるよなーと。そういう・・・・・・負い目?のようなものが「理由のない悪意」という表現になってるのかなーなんて思うんだけど、ヘルヘイムとインベスが文字通り「異世界からやってきた外来種」であり、繁殖の末に街を星を滅ぼし結果的に『侵略』することになるならば、それはむしろ『悪意のない侵略』と言うべきなんじゃないかなと。そこいらへんミッチに突っ込んでほしい。