『夜のせんせい』第6話

見終わった瞬間、まるで映画を見たような気分だった。
追い詰められたホストと孤独な四十女の話がこんなにも切なく、そしてこんなにも胸が熱くなるものになるとは。馬鹿にされ白い眼で見られながらもホールの真ん中に立ち続ける一生くんが呼ばれて行った先にいたのは織本さんだった瞬間マジ泣きした。
一生くんと堀内さんだけでなく、ここに織本さんのエピソードを絡めたのが上手すぎたよね。ていうか織本さんのみならず、一生くん対田中圭くん、一生くん対ヤマコーさん、あとまぁ男というにはちょっと躊躇いを覚えるけどw一生くん対大杉漣と、短いながらも男同士が一対一でガッツリ芝居しあってて見応えあったわー。孝二のメイン回がハーレム祭りで、一生くんのメイン回が恋愛を軸にしながらも男祭りだとか、さすが分かってる。
てかもう一生くんのまるでハリネズミのような存在感、あのグラッグラ揺れる目を最大限活かせる話に興奮しながら感動したわ。葛藤を演じさせたら一生くんに間違いはない!!。粉々に千切ったチラシ=夢が舞うなか仰向けになる空っぽな一生くんはいやになるほどカッコよかった。
で、そんな一生くんを引きだしてくれたのが堀内敬子さんのまりちゃんですよ。これまでいつも朗らかで、桜の突拍子もない提案にも楽しそうに乗っかってくれてまりちゃんが抱える深い孤独や諦念。10歳下の男がかけてくれるなにげないけど優しい言葉に、つまらない自分の話を隣に座ってうんうんと笑いながら聞いてくれることに、どんどん溺れていく心情。そういうものが圧倒的な説得力でもって伝わってきた。やってることは馬鹿な女のソレでしかないんだけど、でもその馬鹿さが哀しくて、そして愛おしい。だからこそ一生くんが最後まで騙し通せなかったんだなーってことがわかるんだよね。
山田が人生のやり直しを賭けた相手がまりちゃんだったこと。結果的には賭け通すことさえできず全てを失うことになったけど、でも山田一郎という男の価値はギリギリのところで保つことができた。それはまりちゃんのおかげだよね。
でもまりちゃんの気持ちはどうなんだろうなぁ・・・。いくら世間知らずと言っても登記簿を持ち出すということがどういうことかぐらいは判らないことはないだろうから、山田くんが待つホテルに出向いたまりちゃんはあの時点で文字通り「一線を越える」覚悟をしてたのだと思う。それだけ孤独な毎日から逃げたいという思いが強かったんだと思う。そしてそれは山田くんが一緒だから、だよね。今の生活を捨てる覚悟ができたのは自分を必要としてくれる人が出来たからなのだろう。それなのに逃げられた。騙されなくて済んだという結果は「よかった」けれど “誰かが自分を気にしてくれてる”と感じることの幸せを知ってしまった(思いだしてしまった)ことで、まりちゃんの孤独はますます深いものになるかもしれないよね。このドラマの単なる“いい話”で終わらせないところがすごく好き。
ていうか、まりちゃんと山田とあと彼女役をしたキャバ嬢の子はこれからどんな顔して同じ教室で過ごすんだろうなぁ・・・。ギリギリのところでやめたとはいえ山田がまりさんを騙してた(騙そうとしてた)ことは事実なわけで、それを知ってるクラスメイトってか特に女子たちが山田にどういう視線を向けるのだろうかと。なんだかんだいいつつノリノリでイベントに参加する山田が可愛かっただけに孤立する姿は見たくないなぁ・・・・・・。
と思ったら。次回予告で女子のために車のドアを開けてあげる?一生くんのヘアスタイル変わってて!アクが抜けた雰囲気で超カッコよかったんだけど!!それにクラスメイトと一緒に壁に隠れて何かを伺ってたりしてて!どうやらハブにはされないようで一安心。
つーか一つのドラマで髪型ガラっと変わるとかやっぱ一生くん超美味しいわw。


ガリュウさん今回の名言。
「恋は心が下にあるから下心。愛は心が真ん中にあるから真心」