小路 幸也『旅者の歌 始まりの地』

旅者の歌 始まりの地

旅者の歌 始まりの地

7の倍数の誕生日に「野獣」の姿に変身してしまった兄と姉と婚約者とともに、彼らを人間の姿に戻すための旅に出た「リョシャ」という少年の物語。おそらくかなり緻密な設定・設計図を用意した上で描きはじめられた物語ではないかと想像しますが、世界観的にあんまりそそられないなぁ・・・。「話者」という歴史を覚え伝え語る存在になるべく訓練を積んできた優秀な少年が、『外』の世界を旅する中でいろんな人間と出会いいろんなことを経験したり見聞きすることで智慧を蓄え地図を作るってな話のようですが、あんまりわくわくしない。『語り部』のせいかなぁ?。
でもリョシャとともに旅をする仲間はみんな“人間の心を持ったまま野獣(ノケモノ)になってしまった存在”、つまり喋れるんですよね。兄は馬、姉は鷹、婚約者は猫になってしまったのですが、それだけでなくこの巻のラストで仲間に加わるのがなんとライオンの夫婦!。しゃべれる馬や鷹や猫やライオンと旅ができるなんて、純粋にそれは羨ましい。