秋吉 理香子『暗黒女子』

暗黒女子

暗黒女子

初めて読む作家さんです。
タイトルと表紙から想像できる通りの内容ではありましたが、まさかこんなエグい女子会が舞台だとは思ってもみませんでした。そのエグいシチュエーションにはちゃんと理由があるんだけど、それにしたってサロンの雰囲気とやってることのギャップがありすぎで、そもそもなんでそんな催し物をやろうと思ったよ!?ここ学校だぜ!?って笑うしかなかった。いやー、女子高生カオスだね!!(笑)。
所謂ネタバレにあたる「小説」も結局は書いた人間の主観で自分に都合よく改竄してる部分はあるんだろうから本当の意味での「真実」は分からないわけで、その前に朗読された各人の作品も他者に罪をなすりつける目的で書いた「小説」だとしても実際にあった出来事ですらちょっとずつズレがあって、主観的な部分はそれぞれ違っていいんだけど例えばイースター祭の描写とかせめて客観的な事実(時系列)は統一されているというか一つの出来事を他者の目線で描く(多角的に描く)形になっていればもうちょっと真実味が増したように思うんで、そこはもうちょっと練ってほしかった。あとそれぞれが罪をなすりつける相手が見事に異なってるんだけど、それぞれがその人を選んだ理由があるならそれを作中に盛り込んでほしかったし、偶然そういう形になったならばそれを明確にすることでこのサークルの異常性がより際立っただろうし、そこももうちょい踏み込んで欲しかった。
でもこれ映像化されそうだなー。