中村 文則『去年の冬、きみと別れ』

去年の冬、きみと別れ

去年の冬、きみと別れ

このタイトル、この装丁、手に取った瞬間からこの本好き!!って思ったんだけど、読み終わったらやっぱり好きだった。
二人の女を焼き殺した死刑囚を本に書くべく取材する男の視点で書かれていると思いきや実は・・・・ってな物語でザックリ言うならば犯罪小説なんだけど、それはただの手段というか、そうするしかなかった、いや違うな、そうすることを選んだ、だ。そんな人間たちが描かれていて、タイトルの意味が分かった瞬間、あっち側が見えた気がしました。とても、魅力的だった。
でもその先には何があるのだろうか。多分なにもないんじゃないかな。なにもない世界ってどうなんだろう。