福田 和代『サイバー・コマンドー』

サイバー・コマンドー

サイバー・コマンドー

この人の作品を最近読むようになったのですが、題材は好みだしそこへのアプローチの仕方も悪くないと思うんだけど、起承転結で言えば転の終盤から結にかけてが散漫というか、小説に対しこの表現はそぐわないかもしれませんが、外連味がないんだよなーといつも思う。緊迫感が持続しないというか。
5.6年前は「サイバー戦争」と言われてもそんなにピンとはこなかったけど、震災によって原発の恐ろしさや交通網や通信網がズタズタになることがどれだけ大変であるかを知った今、それを意図的に起こす(起こせる)サイバー戦争はもはや他人事ではなく実感として想像できるはずなのに、吸引力がなくて絵空事のように思えてしまうんだよなぁ。