『独身貴族』第3話

あー、なるほど。弟は父親がつくった映画の良さが分からず、変人だなんだと言われていても自分なりの芸術センスはしっかりもってて勿論父親の映画の良さも理解してる兄に対してコンプレックスと憧れを抱いてるんだね。
愛想がよくて機転も利いて兄よりも“出来る男”だと周囲からそう思われてはいるものの、本当にすごいのはアニキだと、自分はどうあがいてもアニキには敵わないと、だから父親も自分ではなくアニキを可愛がるしアニキを選ぶんだと、そう思ってるのがこの弟なんだ。
で、そんなアニキが初めて女に恋をしたと、そのことにヤマータノオローチ的な勘で気づいたんだろうね。アニキの好きな女だから春野ゆきが“欲しい”と、まだその自覚はないだろうけど、そういうことなんだよこれは。つまり弟が見ているのは春野ゆきではなくアニキだと。
でも弟は基本聡明なんだよね。人の気持ちには敏感だから(多分それも俺センスを貫き通すアニキのフォローをし続けてきたことで培われた才能なのだろう)、自分は春野ゆきと映画の話なんて出来ないし春野ゆきと同じ世界を見ることができないと理解してて、そんな男じゃ春野ゆきはきっと満足しないであろうことも解ってる。そしてアニキならそれが出来る。アニキの芸術的センスを共有できずとも誰よりも理解し信じているのが弟だから。
アニキと春野ゆきが頭ごっちんこしちゃうのを見てる弟の切ない表情がたまんなかったんだけど、これはあれですよ。アニキがパーソナルスペースの中に他人を入れてることへの寂しさですよ。アニキのパーソナルスペースの中に入れるのは俺だけなのに・・・という想いからくるこの切なさですよ。
これさ、普通だったらアニキを取られるってんで嫉妬するんじゃないかと思うのよ。いや、ドラマ的には春野ゆきと仲良くしてるアニキへの嫉妬というふうに見せつつもその実アニキを取られたくないという嫉妬心だった、という展開にするんじゃないかと思うんだけど、でもそういう感じはなかった。二人の様子を見る弟の顔に嫉妬心は全くなかった。あるのはただただ寂しさだった。
弟はさ、きっとアニキに幸せになってほしいと思ってるんだよ。アニキのことを解ってくれるいい女と幸せになってほしいとは思ってるんだけど、でもアニキのことを理解できるのは自分だけだとも思ってる。
そこへ春野ゆきという女性が現れた。彼女こそがアニキを理解しアニキと共に時間を過ごせる人間だと本能で分かったんだよ弟は。なぜならアニキのことをずっと見てきたから。
ていうか、弟が春野ゆきに惹かれた理由も多分アニキに似てるからってことなんじゃないかな。アニキの世界を理解できる人だからこそ春野ゆきに惹かれたんだと、そういうことだと思うの。
なにこれ超切ない。わたし俄然やる気になってきた。


てか紙ちゃんの玲子お嬢様がクサナギさんの「コレ(震えながら小指立てw)」に全く動じず“男なら女性の一人や二人、いや三人や四人相手にできるぐらいの甲斐性がないと”とかなんとか言ったのって、これ最終的にヤマータノオローチな弟とくっつくフラグですよねw。それはそれでアリだw。