渡辺 容子『罪なき者よ、我を撃て』

罪なき者よ、我を撃て

罪なき者よ、我を撃て

初めての作家さんです。
やりたいのは映画のボディーガード(ボディーガードと警護対象者との恋愛話)なんだろうなーってのは結構早い段階で理解できて、私はその手の話がすこぶる苦手なので早々に読書意欲は減退してしまったわけですが、でもまぁ警護要請があるということは命を狙う「敵」がいるんだろうしそっちの事情・真相は気にならなくもないからと読み進めていたわけですが、真ん中あたりで主人公が警護対象の女子高生を警護する理由(送られてきた脅迫状)とそこから実際に行われた攻撃の解明がなされちゃって、でも別の案件、それもまったくスケールが違う方向に話が展開していくもんで結構ポカーンだった。一応警護対象との繋がりはあるんだけど、主人公全く関係ない話になっちゃってるんだもん。タイトルとか主人公とは一切関係ないですからね。
ていうか主人公は相当な凄腕なんですよ。主人公が属している民間警備会社のスタッフも超優秀。そんな人間たちが相当な人数でもって警護にあたってた件の真相がしょうもないってかもう陳腐すぎるんでなんか間抜けに思えてしまった。警備会社にしてみりゃ仕事は仕事だし、真相がどうであれ無事に対象を護りきれれば任務完了ってことでいいんだろうけど、なんかそんだけカッコつけてて実はコレってなー(笑)感がすごい。