輪渡 颯介『古道具屋 皆塵堂』

古道具屋 皆塵堂

古道具屋 皆塵堂

人が死ぬ(そういう事件を扱う)浪人左門シリーズに対し、こちらは幽霊が見えてしまう青年が古道具屋に持ち込まれる“曰くつき”の道具に纏わる事件を解決するってなシリーズになるのでしょうか?。左門シリーズ同様淡々とした語り口で結構悲惨なことが描かれてはいるものの、どこかほのぼののんびりした雰囲気。
これはまず幽霊が見えることを隠している(つもりである)主人公・太一郎のちょっと複雑な家庭の事情を解決する物語で、その中でレギュラー陣の人となりもしっかりと描かれ、ここから太一郎と皆塵堂の店主・伊平次や幼馴染の巳之助たちによる人情怪談騒動記が始まるんだなー!というワクワク感にあふれたシリーズ1作目でした。