緑川 ゆき/村井 さだゆき『小説・夏目友人帳』

小説・夏目友人帳 (花とゆめCOMICS)

小説・夏目友人帳 (花とゆめCOMICS)

夏目がなりゆき上“名取さんの助手・多岐透”を名乗る羽目になってしまった「ランプ堂奇譚」、小学生の時勇気がなく夏目を孤立させてしまった少女の前に再び夏目が現れた「妖の音」、妖怪に憑りつかれてしまったかもしれない姉を助けようとする同級生に田沼と夏目が手を貸す「妖の夢路」。テレビシリーズ「参」と「肆」の脚本・シリーズ構成を担当していた方によるノベライズだそうで、夏目のモノローグこそやや言い回しが違うかなぁと思う部分がちょこちょこありはしますが原作・アニメの空気感そのままの完全オリジナルストーリーで読み応えがありました。
そしてなんといっても読みながら「画」が浮かぶ。そして「声」が聞こえてくる。もうこれOVAでいいから今すぐ映像化してよおおおおおおおお!。
どれを?って、んなもん「ランプ堂奇譚」に決まってるじゃないの!!。『もしお前たちが私の大切な友人を傷つけたら、その時は容赦はしないよ』『言ったはずだ。友人を傷つけたら許さないと』って言う名取さんに決まってるじゃないの!!!!!。
OVAが無理ならドラマCDでもいいですっっ!!この名取さんを私に!何卒!!。
「妖の音」と「妖の夢路」はどちらも夏目の同級生目線の物語で、共に体験したことを大っぴらに語ったりはしないだろうけどきっと彼女と彼は夏目のことをほんのちょっぴりでも理解してくれたのだと思う。テレビシリーズもそういう感じになってきてるけど、夏目の居場所が少しずつ出来ていき、そこに居ることを夏目が嬉しいと、素直に幸せだと思えるようになっている。そのことがすごくうれしい。