新堂 冬樹『君想曲』

君想曲

君想曲

ペラい。毎度のことながら心底ペラい。『大切な人が病気になってしまったモノ』(記憶を失くしてだの余命僅かだの、その手の作品を私はこう呼んでます)をここまでペラく描けるのは逆にすごい。
「びまん性軸索損傷」という高次脳機能障害によって人格の変化がまれに起こりうるという“ネタ”をここまでチープなメロドラマに仕立て上げるのは逆にすごいと言わざるを得ない。