小路 幸也・宮下奈都『つむじダブル』

つむじダブル

つむじダブル

祖父と両親とともに幸せに暮らすつむじが2つある兄妹の物語で、兄パートを小路さんが、妹パートを宮下さんが執筆する形での合作です。
兄妹とはいえものの見方や考え方はそれぞれ違う一人の人間なわけで、一人の作家が描き分けた場合根っこの部分で繋がってる感じはあると思うんですよね。普段それを意識することはないけれど。
そこを今作はそれぞれを二人で描き分けているので「由一」と「まどか」の『個性』が明確に出ていて、由一編に出てくるまどかとまどか編のまどかはちょっと違うし、逆もまた然りで、お互いへの愛情をストレートに出しつつも一定のライン以上は踏み込まない感じでそこいらへんは面白かった。
言ってしまえばまぁ人生はいろいろあるよねってな話なんですが、その「いろいろ」が小学生のまどかですら所謂リア充すぎてやや乾いた笑みがこぼれてしまいました(笑)。