『ダブルフェイス 偽装警察編』

西島さんの潜入捜査編に比べたら色気のない偽装警察編であった(笑)。
共に「組織のイヌ」という立場でありながらも、バレたら即殺されるであろう西島さんとバレたとしても身柄を拘束され罪に問われはするだろうけど警察内部にいる限り命までは取られない香川さんとでは『バレたら危険』の度合いってか意味が異なるわけで、西島さんの場合それがギリギリとした焦燥感と狂おしいまでの哀愁となって表出していてとにかくセクシーだったんだけど香川さんはなんかひたすら目をギョロギョロさせてた印象しかなくて、まぁ純粋に西島さんと香川さんのビジュアルの違いってのはあるでしょうが^^、まぁ、そんな感じでした(笑)。
てかわたしの反応がイマイチどころかイマサンぐらいなのは、ええ、こっち編のヒロインがあの人だからです(笑)。なんでこういう設定の役がこの人なんだろ。
そしてこの小娘を落とすことを「お前なら簡単だろう?」と小日向さん組長が言ったその根拠が知りたい。わたしには簡単だとは思えなかったもん!。実際には小日向組長の言う通り超チョロかったけど(笑)。


で、死んだ角野卓造警視正の携帯を使い連絡を取り合った西島さんと香川さんが手を組み取引現場を押さえそして小日向ボスの首を取ることに成功し、その時点ではまだ組員という立場であった西島さんは逮捕され、次のシーンで香川さんの部屋で一人香川さんが戻ってくるのを待ってたわけだけど、香川さんの部屋に通されたのは西島さんが“潜入”であることを訴えたからじゃないの?。そうでもなけりゃ個人に与えられてる部屋に通すはずがないし、何らかの理由で通したとしても見張りも付けず一人で置いておくわけもないだろう。確か入室した香川さんも「お前が潜入だったんだな」的なことを言ったように記憶してるし、それを確かめるためにあの部屋に通されたってことでいいと思うのよね。
で、そのことを証明できるデータは警視正が管理してたってんで閲覧するためのパスワードを聞かれた西島さんはパスワードを教えたわけだよね。これ、これでようやく警察官に戻れるという安堵で気が緩んだ部分はあるにしてもこれまで潜入として神経すり減らす日々を送ってきた西島さんにしちゃ不用意すぎんだろと思ったんだよね。警察にも組織のイヌが紛れ込んでることは確かなわけで、目の前の男がそうでないという保証はない、よね。だからもしこの時点で自分が潜入であると“聞いた”のが目の前の男だけだとしたらそう簡単にパスワード教えたりはしないと思うの。どれだけ辛かった日々がこれで終わるんだという喜びに舞い上がっていたんだとしても。でもホイホイ教えた。てことはやっぱり西島さんが潜入であることを複数の人間が“聞いた”ってことじゃないのかなーと。
で、香川さんは警視正のパソコンを取りに行くために部屋を出て行き、その間西島さんがなんとはなしに香川さんのデスクを見ると見覚えのある「用心棒封筒」がそこにあったもんだからこの封筒の持ち主=ボスから履歴書を受け取った人物=組織のイヌだと気付いたと。そこで西島さんは香川さんが戻ってくるのを待たず黙って姿を消したと。その理由はイヌである香川さんにパスワードを教えてしまった以上自分のデータは消されるだろうし、そしたら自分が潜入である証明も出来なくなるどころかボス殺しの罪を被せられこのまま逮捕されるかもしれないと考えたからってことでいいのかなぁ。例え複数の人間が自分の潜入捜査官であるという訴えを聞いたとしても、香川さんが一言「警視正のデータに該当するものはなかった」と言えばそれで終わりなわけだし。
(でも西島さんにだって警察学校に通ってた時代はあるだろうし、警察官として実務を行わずいきなり潜入になったわけじゃないだろうから警察官としての西島さんを知る“同期”や“元同僚”がいるはずで、その人たちに確かめれば現在の身分保証はできないまでも心証的にある程度のところまでは証明できそうなもんだけどね)
他の捜査官が西島さん=潜入だと聞いてたんじゃないかと思う理由の補足として、香川さんの部屋(警察署内)から西島さんが恐らく誰にも見とがめられずに逃げられたであろうこともあるよね。もし西島さんが表向きの立場である組長の右腕とされる人物としてあの場にいたのであれば警察署はおろか刑事部屋から逃げ出すのも難しかったわけだから。となるとやっぱり関係者の間では西島さんは潜入捜査官であるとある程度のところまでは認められてたんじゃないのかなーと。あとは警視正のデータで確認するのみだったと。
で、香川さんはまず倉庫で警視正のパソコンにパスワードを打ち込み西島さんが本当に潜入捜査官であることを確認したわけだよね。で、そのパソコンを持って部屋に戻ったら西島さんはいなくなってて机の上に変化があって、その瞬間自分が警察に潜り込んだイヌだと知られたことに気付いたと。で、その後西島さんのデータを抹消するかどうか逡巡したのち、エンターキーを押したと。
この流れと、西島さんが部屋にいないと知った瞬間の驚きの表情、データを抹消する時の苦悩の表情からして香川さんは西島さんを警察に戻すつもりでいたんだと思うのよね。だとすると身分を証明する唯一のチャンスを西島さんは自らの判断ミスでもって潰してしまったわけで、その理由は警察官に戻れると浮かれちゃったからってことになろうわけで、えーーーーー、なんかちょっと・・・西島さんやっちゃったな的な?(笑)。
ていうか結果的に警察はヤクザ西島さんの「俺は潜入だ」発言に騙されたばかりか警察署内から逃げられてしまったということになるわけで、さっすが神奈川県警!!(笑)。
まぁ捜査(内部)情報がヤクザに漏れてることは明らかで、イヌが誰かを調べるならばそれはあの時捜査本部にいなかった者(情報を知ることができなかった者)にすべきだろうに、香川さんにその任務を与えてる時点でダメすぎるんですけどね(笑)。
最終対決の場面は高橋光臣(以下チーフ)が香川さんと同じく組織から送り込まれたイヌだと知ってたもんで、チーフが現れた瞬間の絶望ったらなかったわー。なんでよりによってこいつに連絡したんだ西島さん!!って頭抱えたもんw。
で、チーフ最大の見せ場であるエレベーターでの射殺シーンね・・・。チーフ腕良すぎやで・・・・・・。
西島さんの足がエレベーターのドアに挟まれ何度もガコンガコン開閉を繰り返してるのがもうね・・・・・・・。
愚かだよなー、西島さん。哀れだよなー、西島さん。
でも愚かで哀れな西島さんも素敵なの。
あと俺もイヌですと言うチーフ超カッコよかった。その数秒後ぶっ殺されたことも合わせてw。
で、チーフを殺し二人が殺しあったことにして(エレベーター内で2発銃声が鳴ったけど、2発目は西島さんの手に硝煙反応残したのかな)(てかああいうビルのエレベーターって監視カメラついてそうだけど)これで晴れて自分は自由だと思ったら新たな組織が現れ結局これまでと何も変わらない・・・どころか組長殺しというネタまで握られ結局無間地獄ENDと。
小田組に変わる新組織に小田組の組員がいたんだけど、確かこいつら西島さんと同時に組長宅で家探ししてて、そん時また下っ端からやり直すのかよー云々と話してたよね?。でも香川さんに挨拶しに来た時のそいつらは下っ端って感じはしなかった。とすると、家探しでボスに命じられ香川さんが蒼井優に近づいてることとその目的というネタを手に入れ、それを新組織に手土産として渡したことであの立場からスタートすることができたってことかなー。と同時にその情報から香川さんがイヌであると新組織に伝わってしまったと。
でもその場合、新組織的には香川さんには引き続き蒼井優との関係を続けさせる方が都合がいいわけで、香川さん宅に証拠写真を投函する理由はないよねぇ?。とするとそれをしたのはやっぱ西島さんじゃないかな。あの家は香川さん宅なわけでそこに蒼井優がいるという確証を持ってはいなかっただろうから写真を見せようとした相手は香川さんと考えるのが自然で、香川さんに自分の立場を認めさせる材料としてってのがその理由だろうけど、それプラスこんな状況に追い込まれても蒼井優が巻き込まれることを防ぎたかったと、助けたかったと、西島さんが最後に警察官として危険から人を守ったんだと思いたい。


香川さんのほうは小日向さんに拾われその命を受け警察に入る過程が描かれたけど、西島さんのほうはなぜ潜入捜査官になることを決意したのか、そこいらへんも見たかったなぁ。
ていうか遺影の西島さんが爽やか素敵な笑顔でさぁ・・・潜入になる前はこういう顔で笑う男だったんだろうなーと思うと遣る瀬無さに泣きそうになったよね。
・・・・・・まぁたった一人で火葬場にいる和久井さんがどこでどうやってこの写真を入手したんだ!?という疑問は残りますが^^。


独自ルールはあるけど法には縛られないヤクザ組織とあらゆる意味で動きが制限されまくりの警察という組織の違いが出たのかもしれませんが、潜入捜査編と比べると首を傾げる描写が多かった偽装警察編でした。でも両方合わせて見応えのある映像だった。なによりもこの西島さんはカッコよかった。西島秀俊最高傑作と言っても過言ではないと思う。