有川 浩『空飛ぶ広報室』

空飛ぶ広報室

空飛ぶ広報室

航空自衛隊の広報室で働く自衛隊員と、密着取材という名目で彼らを見続けるテレビ局のディレクターの物語です。
ディレクターを含めここに至るまでの経歴や抱える想いにはいろいろあるけど、みんな自分の仕事に誇りと愛を持って頑張ってますよってないつもの有川作品ですが、やっぱ自衛隊そのものをテーマ(舞台)にすると筆が走るんだろうなーとか思った。自衛隊という特殊な空間を取っ払ってしまえばどこにでもある働く日常であり職場の人間関係でしかないんだけど、それに自衛隊に対する作者の想いが乗っかるとやっぱ“濃い”よなぁと。
しかし世の中には航空自衛隊を「空軍」なんて呼び方(認識の仕方)してる人ってそんなにいるのかなぁ?。私は小説を読むようになってから、というか、小説の中で描かれている自衛隊をカッコいいと思ってから現実の関連ニュースも気にするようになったのですが、そのせいか自衛隊に対する悪感情ってのがどうにもピンとこないんですよね。特に去年の震災であれだけの活動を見せてくれ、今もなお被害者を探してることを思えば感謝こそすれ自衛隊“なんか”なんて言い方はできないと思うんだけど。
なーんて思ってる時点で私まんまとこの企画考えた広報室の人の思う壺なんだろうな(笑)。