『特命戦隊 ゴーバスターズ』Mission30「メサイア シャットダウン」

うーん・・・・・・センターの人たちの現状とかエンター様やエスケイプ姐さんの“素材”とかセンターの人たちとメサイアさんの関係性とかヒロムの選択とかほとんど予想通りの展開だったとは言え、エースに乗ったヒロムVS何その専用マシン!?に乗ったエンター様の攻防は(顔面的に)見応えはあったし燃えもした。母親の存在を傍に感じながら笑顔でウサダの操縦桿を握るヨーコ(女子)に対しコックピットで涙を零すヒロムの姿には『13年間の想い』を感じられもした。
でもなんだろうこの物足りなさは。
前回の感想でも書いたけどここまで引っ張ってきた『亜空間』の特殊性が画面からは全く感じられなかったし(重力は先輩が作ったという中和装置によって、変身解除状態でも普通に動けるのはワクチンプログラムのせいかもねってな説明ってか理由付けはなされてたけど)(つっても亜空間は亜空間なんだしどこで何がどうなってるのかわかんないし状況が急変することだっていくらでも考えられるわけだから変身解除すべきではないと思うけど。それこそ“プロ戦隊”であるならば)、このままだとメサイアさんが地球そのものになるだっけ?要するにメサイアさんによって支配されてしまうってことなんだろうけど支配してどうすんの?何がしたいの?って話なわけでさ、イマイチ危機感がなかったせいかなぁ・・・。
いくら本体はあのメインコンピューターであって我こそがメサイアだと名乗る等身大の敵はメサイアそのものではないっつってもボカーーーーンってぶっ飛ばして「あれ?あいつどこいった?」「しらねーよおめーがぶっ飛ばしたんだろうが」って・・・なぁ・・・・・・。
まぁ『地球の危機を救う』ではなく『両親をこの手で抹消する』ことに話の焦点が置かれていたので殊更危機感を煽るようなことは敢えてせず、ヒロムの心情を描くことに注力したってなことなのでしょうが、でもなぁ・・・・・・危機があるからこそ両親を見捨てなければならないわけで、それだけの葛藤を描くためにはやっぱり『危機』をそれらしく描くってのは必要だと思うんだけどなぁ。
あとこれはもう新しいことをやろうという番組コンセプトを否定することになってしまうかもだけど、ロボ戦と等身大戦を同時進行ってか別個でやるってのは通常時はいいとしても今回みたいな“ラストバトル”には向かないかなぁ・・・なんて思った。やっぱみんなで力合わせて倒してほしいよなーと。エンター様がド本気出した以外は通常時とやってることにさしたる違いってか差がないから“決戦”って感じがしないんだもん。
ていうかメサイアはもちろんヒロムの両親たちセンターの人々も『データ化』されていると明言されたことで絶対バックアップが取ってあってそれを元にしてどっちも復活するんだろうなーと思えてしまうことで逆に悲壮感とかクライマックス感が薄れてしまったような気も・・・。まぁ本ターゲットである子供はバックアップなんてことは考えないだろうけど(いやでも最近の子は物心ついたときからパソコン触ってるっていうからむしろ親に「バックアップはマメに取りなさい」とか言われてるかも?w)。
つーかこれまでこの亜空間の状況を秘密にし続けてきた先輩はコレ最終的にどうするつもりだったんだろうね?。ヒロムたちにセンターの人々の現状を伝えるのはまぁタイミングを見極める必要があったとしても、黒りん以下システムスタッフには伝えるべきだったんじゃないのかと。そんでなんとかセンターの人々に該当する「データ」だけを抽出する方法を探すべきだったんじゃないかと思うんだけど。それはどうしても無理だとは言明されてないよね?。メサイアさんとともにシャットダウンしなきゃならなかったのはメサイアさんの進化(暴走)がいよいよヤバいところまできてしまったってんでもう一刻の猶予もないからであって、もっと早くに手を打っておけばなんとかなったかもしれないよね?と、そしてその責任はいつまでも秘密として一人で抱え続けた陣先輩にあるんじゃないの?と思えてならない。
なんつってたら陣先輩コールドスリープ状態だったーーー!!ってなにそれ。亜空間転送時一人だけ違う部屋にいたってのがこの伏線ってか前フリなのでしょうが、違う部屋にいたってだけでデータ化を免れこの状態になる(なれる)とはいくらなんでも思えないんで、となると転送前からこの状態だったのか・・・?ってな話になるよなぁ。先輩個人にせよチームで行っていたにせよ、先輩たちは人間をデータ化する研究を行っていて、メサイアさんは実はその研究の産物だったのだーなんてことだったりしてね。
ってよりも、先輩は独自にワクチンプログラムの研究を行っていて、亜空間転送の直前ソレを自らに接種したはいいけど試作段階だった先輩作のワクチンは肉体は活動停止状態になり意識だけがデータ化(幽体離脱的な感じ)されるものだった・・・ってほうがありえるか。
てか先輩の身体ってあれ亜空間に残されたまんまだよね?。確かアバターの先輩が受けたダメージは本体であるリアル先輩にそのまま反映されるってな話だったしヒロムたちが元の空間に戻れるならば先輩のリアル身体も一緒にバスターマシンに乗っけて転送すりゃいいだろうに、ヒロムたちのあの感傷に浸りまくってる様子からしてそれはしなかったってことだよね?。劇中でどんな置いてきた理由が語られるのか分かりませんが、作劇上の理由としてはメサイアさんのバックアップデータが先輩の身体にインストールされるなんて展開が待ってるから・・・とか?。


まぁ今後の展開がどうなるにしてもさしあたっての問題は助けるべき(元に戻すべき)対象が現段階ではなくなってしまったがためにヒロムたち3人がゴーバスターズとして戦う理由であった『約束』もなくなってしまったことになるわけで、この先どういう『敵』と戦うことになるにしても彼らの『戦う理由』をどうするのか?・・・だよなぁ。まさかギャバン編終了後即ヘアスタイルを変えてイメチェンしさらにイケ度ガン増ししたエンター様が「こんなこともあろうかとバックアップを取っておいて正解でした。サバ」とか言うようなことにはならないと思うけど。
・・・・・・・・・ならないよな?(おそるおそる)。


これまでメガゾード=敵出現までをカウントしてたオペ子の「来ます!」が、今回はヒロムたちの帰還への祈りを込めたカウントダウンだったってのはそれに続く喜びに沸く職員たちと合わせて結構グッとくる演出でした。