本田 有明『歌え!多摩川高校合唱部』

歌え!  多摩川高校合唱部

歌え! 多摩川高校合唱部

初めての作家さんになります。
実際にあった話を下敷きにしてるそうですが、それだけにエンターテイメント性に乏しいかなぁ・・・と思った。作者が実際にその渦中にいたのか(関係者だったのか)、それとも伝聞として聞いた話に魅力を覚え小説として書き起こしたのかはわかりませんが、瞬間瞬間に煌めきはあるものの1つの物語としてはメリハリがないかなと。
それに視点の定まらなさも気になった。最初は1人の男子新入部員が視点(主役)なのかなと思ってたのに、読みすすめるといつの間にか視点が変わってて、「部活動」の話だから多視点というか群像劇に仕立てるのは全然構わないんだけどその“見せ方”があまり好みじゃないし、こういう部活動モノで私が一番重要だと思ってる“合唱の魅力”が登場人物を通じてさして伝わってこなかったのも残念。