『中河内雅貴ワンマンショー 〜ある男に関するレシピ集〜』@CBGKシブゲキ!!

初日おめでとうございました!。
無事幕が上がり初日を終えたガウチはもんのすごくイイ顔してました。全てを背負って走る男の孤独と覚悟と、ほんのちょっとの安堵が入り混じった・・・みたいな感じ。
これはもう見なくちゃ話にならないというか、見た人しか分からない(見た人にしか伝わらない)種類の舞台なので、以下はレポではなく感想、初日を見てわたしが思って感じたことになります。


錚々たるメンツがガウチを料理する”というコンセプトは明らかにされていたもののどういうものになるのか、というかそもそもその“錚々たる方々”とガウチの繋がりがほとんど見えないもんで全く想像がつかず、ほんとどういう舞台になるのだろうかと期待半分不安半分で迎えた初日でしたが、思ってた以上に『ちゃんとしてた』。
このちゃんとしてたってのをどう伝えればいいのか悩むところなんだけど、 “繋ぎ”の場面の映像を担ってる奥秀太郎さんはちょっと別枠として、池鉄、ノンスタイルの人、良平さん、堤監督、それから総合演出のTETSUさんと、この方々が思ったほど「中河内雅貴」という『素材』に手を加えてないんだよね。そんなには知らない相手に“合わせる”のではなく、知らないからこそそれぞれの持ち味というか、得意とするものを提案したってな感じなんで、極論を言えばこれガウチでなくともある程度の能力がある人ならば『素材』として成り立つ舞台なんじゃないかと思ったの。
それはつまり『素材ありき』の舞台だってこと。
タイトルにあるようにこれはあくまでも「レシピ集」なんだよね。しかも「ある男に関する」。
レシピがあったとして、それを見ながら作ったとしても作る人が100人いれば100通りの味になると思うのね。使う調味料のレベル差だったり、作り手がそれまで培ってきた味覚や性格によっても違いが出る。だけと料理は完成する。なかにはレシピ通りに作ってるつもりなのに全く違う料理が出来上がっちゃったりする人もいるみたいだけどw、それでも完成はする。
レシピ自体は各料理人の云わば「定番」というか、池鉄のパートは“池鉄バージョン”が見たいと思ったし、良平さんパートはまさに“近藤良平の世界”って感じで、そういう意味では鉄板レシピと言えると思う(ノンスタイルの人はコントとか見たことないし、堤監督も語るほどの知識は持っていないのでわたしのわかる範囲では)。
で、そのレシピってのはこの材料でなければ作れないというものではなく、多分違ったら違ったでそれなりに出来上がるぐらいちゃんとしたレシピなの。だって定番であり鉄板レシピだから。ガウチでなくとも成り立つ舞台と言ったのはつまりそういうことで、もっとガウチに特化したというか、『ガウチを料理する』舞台になるんだと想像してたんだけど、決してそういうものではなかった。
だからこそ、このレシピは『素材ありき』ってことなの。
定番で鉄板レシピゆえに素材の違いがものを言うんだよ。
つまり、この舞台は「中河内雅貴」という素材そのものを楽しむ舞台だってことなんだよね。
ガウチ用に作られたものではなく、それぞれの料理人の・・・言い方は適切ではないかもしれませんが「テリトリー内」でガウチがどれだけやれるか、を見る舞台なんだと思う。
で、素材としてのガウチはというと・・・・・・・・・・・・・とても素直で素朴な感じがした。別段存在を主張しているわけではないのにその瑞々しさが目と鼻から伝わってくるようで。
ポイントは「存在を主張してない」ってとこ。
ガウチはいつも基本自己主張が強くて、それはいいところではあるけど悪いところでもあるとわたしは思っているのですが、他に誰もいないこの舞台上では、正真正銘たった一人っきりの舞台上では、主張する必要がないからかほんっとーーーーーーに素直な感じがするのです。纏ってる空気がこれまでとは全然違う。
この舞台の成否は全てガウチ1人に掛かっているわけで、その責任であり重みたるやこれまでの舞台の比ではないと思うのに、これまでみたどの舞台よりも優しくて柔らかい雰囲気だった。
内容自体は優しくも柔らかくもないんですよ。むしろ全編シュール超シュール。だけどなんだかとても幸せな気持ちになれる。
それは料理人に用意されたレシピによって料理されるべくガウチ自身がたった一人の舞台上で自分と本気で向き合い戦うことを楽しんでいるからなんじゃないかなと思う。
てかもうねー、ほんっとにイイ顔してんだよこの男!!。おまけに衣装がそれぞれ可愛いのカッコいいのってもうもうもうっ!!。髪型も抑え目カラーリングにシンプルスタイルで、ビジュアル的にはまじまじガッツポーーーーーーーーズ!!なんですよおおおおおおう!!(←これが嬉しすぎて泣きそうにw)。
そんでもって最後にすごいプレゼントがあっから!めったくそすごいオタ向けサービスがあっから!!。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、これが一番・・・・・・・・・ジレンマなんだよねぇ。
休憩ナシの1時間半程度なんだけど、4人のクリエイターそれぞれの特徴を活かしバラエティに富みつつもでもちゃんとストーリー性はあって、内容的にはなかなか見応えがある舞台なんだけど、でも何度も繰り返しになりますが「素材ありき」なんで、ガウチオタ以外には薦められない・・・・・・・・・・・・・・・・んだよねぇ。
最後のプレゼントはともかくそれ以外のパートはむしろオタ以外の人にこそ見て欲しかったりするんだけど、結局オタしかこれを見ないんだろうなぁ・・・と思うと複雑な気持ちになってしまいます。
なのでさすがにガウチを全く知らない人に見て!とは言いません。
でもせめてガウチを知ってる方、ちょっと興味はあるんだけどなーってな方、ぜひぜひ検討してみてください!。きっと見たことがないガウチがそこにいるから!!。
ちなみにシブゲキは地下鉄出口の真上にあるので渋谷の雑踏を抜けなくても辿り着けますし、椅子は背もたれ高いフッカフカのこじんまりとした劇場なので非常に快適でございますよ!(笑)。


というわけで。初日挨拶で結構真顔で「25回公演とか大丈夫かな・・・・・・」と呟いてましたが(その後「体力はあるから多分大丈夫(笑)」と笑いながら自分に言い聞かせてたっぽかったけどw)、無事千秋楽を迎えられますように!!。