『非公式戦隊 アキバレンジャー』第5話「イタイタ☆イエローママ」

親子コスプレからの娘の変身アイテム拾った母親による変身などという超トンデモ回なのに、なんでわたしちょっと泣いてんの(笑)。
ゲットだぜ!とグリリバ対決クルーーー!?とニヤニヤしながら待ち構えてたらまさかこんな展開が待っていただなんて卑怯すぎる。母親は有名なレイヤーで一緒にコスプレして買い物したりお茶したりする仲良しママンなの☆ってのは全部ゆめりあの妄想ってか理想で、実際はそれとは真逆の超リアリストな母ちゃんで、もちろん死んでなどおらずピンピンしてますトホホ・・・ってなオチだと思ったのに><。
ゆめりあ母の死に特別なドラマはなく、云わば日常の延長線上に突如訪れた死で、だから悲しみの持って行き場がなく言えなかったこと伝えたかったことをずっと抱えて生きてかなきゃならなくて、でも大抵の人間はきっとそうなんだよね。ある程度の歳を重ねた人間、それこそこの作品のメインターゲットである『大人』はみんな一つや二つそういう想いを抱えてる。だからこそゆめりあの「妄想の中ででもママの子供でよかった。産んでくれてありがとうと言えてよかった」って言葉が沁みるんだよ。
そして何が上手いかって、ゆめりあは毎年誕生日が来るたびにママとの楽しい時間を妄想してたものの当然今回のように具現化することはなくて、でもアキバレンジャーになって『重妄想』という力・・・というかシステム?を手に入れたからこそ願いが叶った。その願いはゆめりあ1人で叶えられるものではなく、信夫と美月と博世さんの力があってこそだってところよね。ドラマとして押さえるところはしっかり押さえてるというか、ポイントは絶対に外さないの。だからどれだけ超展開をやろうとも作品としてはしっかり地に足ついてんのよ。それがすごい。これぞ笑いあり涙ありオタクありの幕の内弁当(コンビニの)みたいな30分だった。妄想の中でゆめりあがママに買ってもらったピンクのウイッグを博世さんがプレゼントとして用意してくれてたのもコスプレイヤーミヤビについて検索して亡くなってることを知ってしまっていたからこその行動だろうし、それを経てのベタすぎる酷いオチまで完璧に計算されてるわよコレ。
てか母親かもしれないのにゆめりあが「宅急便だ」と断言したことや、部屋に入ってきたママを見て困惑ってか素に戻って立ち尽くしてるっぽいことなんかは確かに初見でも「ん?」と思ったわけで、そういう話だと判って見ると冒頭の「今日はママが地球に降臨するピピ」→「もしかしてママが来るってこと?」→ゆめりあ無反応→「てことはゆめりあさん1人暮らし?」→こっくり頷くゆめりあってのがどういう意味かはっきりとわかるわけでさ、ゆめりあママがどう見ても現役コスプレイヤーだろうに「コスプレイヤーのミヤビと言えば結構有名『だった』のよぉー」と過去形で話してた理由もわかるわけでさ、ちゃんと“そういう話”としての段階を踏んでんだよね。
特撮目線で見ても、倒したはずの怪人が再登場しても1.2話のことがあるから“そういうもの”だとしてなんら疑問に思うことなく受け入れられちゃったし、それがグリリバボイスの歌舞伎町なんたら様だったのはゆめりあ意中の怪人だからだろうし、ゆめりあママ登場のため3人がピンチに陥るのも“前回は酒の力でパワーアップしてたけど今回は素面だから”という非常にしっかりとした理由が劇中で説明されてるし、設定こそブッ飛んでるものの作りは至極丁寧。だからこそ思わず涙が出ちゃうほど揺さぶられるのだと思う。


でもどうしてもつっこみたいことが一つあるんだけど、通りすがりのラブラブカップル見て信夫がリア充爆発しろ!言うてたけど、でも24歳OLの誕生日会を現役女子校生と白衣の年上お姉さんと自分好みのコスプレしたアルバイト女子たち(もちろん全員余裕で平均以上のビジュアル)とやれる信夫さんは間違いなくリア充だと思うのですけども!!。それはネットの世界でも妄想でもなんでもないまさしく現実と書いてりアルと読む!!なわけで、信夫の胸ぐら掴んで「お前の言うリア充の定義とはなんだっ!?」と問い詰めたいw。
同人本(?)を手にした美月をサッと止めたり、ゆめりあゆめりあママを思い出のお店で二人っきりにしてやったりと気配りできる信夫さんは普通にカッコよかったです。それに腐っても(くさってませんw)DBOYSの一員なわけだから顔面だってそんなに悪くないはずなのに、でも29歳童貞実家暮らしと蔑まれる信夫さんに納得できてしまうのはなんでだー!?つまりオタクがネックなのかーっ!?!?w。