『特命戦隊 ゴーバスターズ』Mission8「マシン設計図を守れ!」

いや、守れてねーし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
今回はかつて『先輩』に憧れ夢を共有していた二人の少年が望み通りにいかない現実にぶつかりながらも「夢を諦めない」「夢を叶えるためにそれぞれの場所で頑張る」ってな話だったと思うのだけど、前回にも増して納得がいきません。
この組織って一応は民間なんだろうけど、国民が豊かで快適な生活を送るために必要な唯一無二のエネルギー源であるエネトロンを守る役目を担ってるってことは、それはつまり国家の安全を担ってるのと同意なんじゃないの?そういう意味ではこの世界には自衛隊のような組織は存在してないのだろうか?とは思うものの、とにかくそれぐらいの大役を任されてる『プロ組織』なんじゃないの?。前回の新人整備士のミスは1万歩譲って当事者であるヒロムたちが許すってんならそれでいいかもだけどさ、今回のこれは云わば軍事機密をテロ組織に売ったのと同様だろ?。それなのに「夢に向かってもう一度頑張る(頑張れ)」って絶対おかしいだろ。
いや、「逃げずに戻ってきたんだ」「もう一度頑張れ」と許すようなことを言ったのはリュウさんであって、立場的にはイチ戦闘要員でしかないリュウさんが許しても組織としては許しちゃくれずに首になった挙句この業界でエンジニアとして働ける場所はどこにもない・・・ってな末路が待ってるのかもしれないけどさ(それが当然だと思う)、報酬を投げ渡すエンター様はあからさまに侮蔑の表情を浮かべてたし、リュウさんも決して友好的な態度で戻ってきたカズヤを迎えたわけではなかった。恐らくリュウさん自らカズヤを経由して設計図がヴァグラスの手に渡ってしまったことを報告するだろうと思う。だから少なくとも前回のようにこれからも共に戦う仲間だ!ってなことにはならないだろうなーとは思うんだけど、エンジニアとしてはもう終わりってのを描けとまでは言いませんが劇中で描かれなかった以上この先のことをどう考えてもそれは想像でしかないわけで、そこを視聴者判断任せにしちゃ駄目だと思うんだよな。だってこれ子供番組なんだから。
てか今回のミッションは「どんな手段を使っても絶対に設計図をヴァグラスに渡すな」ってことだったわけで、リュウさんたちもメタロイドとメガゾード倒したからって仕事終わったみたいな顔してんなよと。『どんな手段を使っても』ってのは敵に奪われるぐらいならば破壊しろってことでもあると思うわけで、だからリュウさんがチョップで設計専用のスタンドアローンで動いてるマシンをぶち壊したのはいいと思うんだ。これまで設計・開発チームが重ねてきた努力が無に還ることとなっても、それでも敵に情報を奪われるよりはマシだと、それは特命だけでなく設計チームも含めた組織の総意だと、そういう次元の話だと思うからさ。だけど、結果的に設計図は敵に奪われ、おまけに完全に単独で動いてた以上設計図を作るためのデータはこのマシン内にしかなかったんだろうから結果として再び設計図を作り直すための材料をも失ってしまったと。完全にパーってことでしょ?任務遂行としては最悪の結果じゃね?。ヒロムさんこれ完全なる『失敗』だと思うんだけどそこいらへんどうよ?と思うんだけど(設計図奪われたのはリュウジさんであって俺は任されたメガゾードの対応をしっかりやったから俺のミスではないとかキメ顔でいいそうだけどw)。なんで前回主役にあれだけ偉そうなことを言わせたってのにその直後の回でこういう話をやるのかなぁ・・・。
でさ、そこでカズヤがHDDにコピーしたデータをどう使うか?って話になるわけで、動機については後述するとして、まず一番真っ当な展開は
“自分たちのこれまでがパーになってしまったと気落ちする設計チームに詫びるリュウさんたち→そこへ戻ってきたカズヤが敵に渡すために持ち出したものの身体を張って死守したとHDDを差し出す→設計図は奪われなかったから結果オーライと言う開発チーム主任に一旦は裏切ろうとしたことは事実なので今回はチームから外してくださいと、でももう一度イチからやり直して今度こそ自分の設計図が作れるよう頑張りますとカズヤは言いました”
って感じだと思うのよね。これだったらゴーバスは設計図を守るというミッションを果たしたことになるし(カズヤの気持ちを変えたのは戦うリュウさんの姿なわけだからゴーバスの力って解釈は可能だし)、カズヤも自分のしたことの責任ってかケジメはちゃんととった上で「夢に向かってもう一度頑張る」って話として成立すると思うし。
カズヤのことを無視していいならば
“設計図を奪われてしまったと自分を責めるヨーコに悔しがるヒロム→「設計図はここにあるよ」と言って胸ポケットからHDDを取り出すリュウさん→「こんなこともあろうかとすり替えておいたのさ」→ヨーコ「さっすがリュウさん!」ヒロム「咄嗟の状況判断はリュウジさんには敵わないな」ゴリラ「リュウジ!!!!(´;ω;`)」”
ってな展開もアリだったと思う。武器の扱いかたとか動きとか、純粋な戦闘力では二人よりも劣るかもしれないけど、その分頭脳や判断力ではさすがの年の功を見せるリュウさん!!ってなわけでアバンのエピに対するオチにもなるだろうし。
まぁわたしのチンケな想像力ではこんなありきたりの例えしか書けないけど、とにかくまず大事なのは「設計図を守った」という事実だと思うの。それがあった上での「夢に向かってもう一度頑張れ」だろうがと。最悪の結果引き起こした張本人たちのくせして勝手に分かり合ってんじゃねーよと。
てかさ、そもそもカズヤの“動機”からしてどうかと思ったよねぇ。“エンジニアという仕事が実際は自分の思い描いてたものとは全く違ったから敵に情報を売ろうと思った”ってのはなんて短絡的なんだと言うしかないんだけど、でもまぁ最近“新入社員の3割が入社数年で辞めてしまう”とか言う記事を目にした記憶があるぐらいだからカズヤの行動はある意味リアルなのだろうよ。だけどこれは子供番組でありヒーロー番組なわけでさ、そんなリアルいらねーだろうと。だったらカズヤはエンター様に抱えてる鬱憤を見抜かれ“設計図を持ち出してくれたらヴァグラスで貴方の好きなように理想のメガゾードを設計させてあげますよ”などと唆され、でも実際は“設計図さえ手に入ればあなたなど必要ありません”と言われまんまと騙されてしまった・・・とかさ、そういうことならば「こんなの俺が思ってたエンジニアと違う><」というカズヤの甘さであり愚かさの報いとして理解できると思うのに、そこでなぜ『現金報酬』なのかと。見た感じ100万あるかないかぐらいだったと思うんだけど、そんな(メガゾードの設計資金としては)はした金で何をどうするつもりだったの??と。金目当てならもうもっとベッタベタな理由、母親が心臓病でようやくドナーが見つかったものの高額の手術代が工面できず夢=設計図と引き換えに金を求めた・・・とかさ、そういうことならばまだ同情の余地があっただろうし、そういう理由ならば夢に向かってもう一度頑張れエンドでもまぁ納得できたんじゃないかなーと思うんだけど。
てか今回の話って、一体何を描きたかったのだろうか・・・。『エンター様が設計図ゲット!』=敵の戦力アップの前フリ?、ヒロムにとっての姉ちゃん、ヨーコにとっての母親にあたる存在としてリュウさんの『先輩』を出すこと?、それとも純粋に「かつて同じ夢を見ていたもののかたや自分の意思とは関係なく特殊な身体となってしまったせいで夢を諦めざるを得なくて、かたや夢を叶えるための道に進めたものの思うようにはいかない日々を送っている二人の少年」の話???なんかそれすらよく分からない・・・。
多分アバンのずっと自主練を続けてるリュウさんとゴリサキってのは例えばバイオリンとかバレエとか、あと英会話とかさ、単純に“頭や身体が柔軟である子供のうちから始めたほうが身につく”ってのと同じ意味での“訓練年齢開始時が遅かったハンデ”ってのに加えて、エンジニアになりたかったぐらいだからリュウジ少年は恐らくどっちかっつったらインドア派だっただろうなと想像できるわけでさ、元々身体能力が高そうなヒロムやヨーコと比べて“本来不向きである”のに“文句や泣き言云わずに頑張るリュウさん”ってのを不満云いまくりのカズヤとの対照としてみせたんだと思うんだけど(習い事と戦闘訓練を並列で語るなというツッコミはあえてしませんw)、そういう意味ではカズヤも多分“向いてない”んじゃないのかなぁ?って気がするよなー。大学卒業後エネルギー管理局入りしたとして、即設計チームに所属できたとは限らないから何年ぐらいこの鬱屈状態を続けてたのかわかんないけどさ、でも1.2年程度じゃ「思ってたのと違う」とは思わないだろうから(それぐらいの下積みも我慢できないのなら夢を語るなってな話よ)まぁ4.5年はチームにいるんだとして、それだけいても遣り甲斐を感じられるだけの仕事を任せて貰えない、下っ端扱いしかしてもらえないってのはつまりその程度の能力しかないからなんじゃないの?と・・・。
一方リュウさんは自分の力を試すこともなくエンジニアへの道を強制的に閉ざされてしまったわけで、でもリュウさんは今の環境も悪くないと、相棒もいるし仲間もいるしと不可抗力による今だけどそれでも満足してると爽やかに言い切ったわけでさ、その上憧れの「先輩」を再び現世に連れ戻すという新たな夢・・・というより目標かな、そんなものすら見つけてるわけで、それはつまり『なりたい自分が必ずしも最高の自分ではない』ってことなんじゃないかなーと、だとしたらカズヤもまた別の道に進みなおせばリュウさんみたいに充実した日々を過ごせるような仕事に出会えるかもしれないよ?ってな話なんじゃないのかなーとか思ったんだけど、違いますよね^^。
あー、なんか考えれば考えるほどわかんなくなってきたからもうやめる。
でももうひとつだけ。マーカーの周囲3キロってのは横方面だけでなく縦方面(空中及び地中)でも有効ってのはロボ戦描写のカードが1枚増えたという意味でなかなかいい展開だったと思うんだけど、自分たちも地下にいながら敵の反応を全くキャッチできない司令部ヘボすぎやしませんか・・・・・・・・・・・・。肩もませてる場合じゃねーだろ司令・・・・・・・・・・・・。
反対にエンター様はまんまと設計図奪取に成功しているわけで、その優秀さが一際目立ちますな!!。
ていうか警備員コスは確かに潜入のために必要だったと思うけど(思いっきり「変装してマス!!」オーラ出てたけどなw)、ホームセンター店員コスは別にいつもの格好で客として入店してウイルス送信するだけでよかったように見えたんだけどw。あの格好がしてみたかったんですよね!もうやりたがりなエンター様ってば素敵っ!。
でさー、そんなエンター様の優秀っぷりを見てふと思ったんだけどさー、エンター様ってか、エンター様の『元』になった素材がリュウさんとカズヤ憧れの『先輩』ってことはないかしら?。言い換えると『先輩』を使って作りだされたのがエンター様だと。だとしたら“先輩に会いに行くために”センターに行き巻き込まれたリュウさんがエンター様を見て先輩!?って思わないのはヘンなんだけど、でもエンター様ってホラ・・・結構独特なセンスの持ち主になっちゃってるじゃないですか。「天才エンジニア」という存在からイメージするに先輩はもっとこう・・・身なりとか外見には無頓着な人だったんじゃないかなーと思うのね。だから自分の知ってる先輩とマニキュア塗って「サバ?」とか言っちゃうオサレエンター様との共通点に気付けないんじゃないかなー!???・・・なーんてねw。
あと願望ついでに今回敵の手に渡ってしまったHDDに実はカズヤが自分の判断で何がしかのデータを仕込ませていて、そのデータをマーカーとすることで亜空間転送が可能になるってな展開になったらいいなー(ついでにそれを報告&お礼を言うために刑務所へ出向くリュウさん(と面会室で向き合うカズヤ)ってのがあればなおよし)。


危惧してたヒロム→ヨーコの“呼び方”は「ヨーコ」で決まったみたいですね。それはいいんだけど、だから何がどうなって「ヨーコちゃん」から「ヨーコ」に変わったのか、ここはぜひとも説明を求む!!!。