- 作者: 輪渡颯介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/11
- メディア: 新書
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怪談(というかホラー寄り)仕立てでありながらもちっちゃい謎解きを繰り返すメフィスト賞らしからぬ真っ当な小説で、確かに面白かったです。デビュー作って舞台装置や設定なんかが過剰に修飾してあったり登場人物が過度に作りこまれていたりすることが多く、それが自分の感性とフィットすればいいんだけどそうでない場合はそれらに引っかかってしまうものなんだけど、この作品は全く作者が透けて見えない、そこが一番の驚きでした。登場人物を筆頭に、すべてにおいてとにかく“余計なもの”がくっついてないの。登場人物の背景やら心情やらの描写は必要最小限だし、時代ものでありながら情景や状況や情勢の説明も必要最小限だしってんで、なんていうか・・・シンプル?だなぁと思った。でもそれが「あやかし」を扱いながらもカラっとした空気感を醸し出してて、いい意味で「普通に読める」時代&あやかし小説になってます。シリーズ化してるらしいんで続きも読みたい!。
これなんでメフィスト賞に応募したんだろうなー?(笑)。