七尾 与史『殺しも芸の肥やし 殺戮ガール』

殺しも芸の肥やし 殺戮ガール (『このミス』大賞シリーズ)

殺しも芸の肥やし 殺戮ガール (『このミス』大賞シリーズ)

以前コメント欄で教えていただいたので読んでみました。
女性のガチシリアルキラーってちょっと珍しいように思うのですが(育った環境とかトラウマとか何がしかの原因がある(と考えられる)のではなく所謂「生まれつきそういう性質」という意味でのシリアルキラーの場合、脳の作りというか器質的なレベルの話で女性のシリアルキラーは男性に比べると圧倒的に少ない、というような話を聞いたことがあるのですが本当なのだろうか?)、タイトルの通り、まさに「殺戮ガール」の話でした。
まず過去に事件があって、序盤はその中の誰が「殺戮ガール」なのか?という謎で読者を釣り(どう考えても一択なんで謎でもなんでもないんだけど(笑))、中盤以降は彼女の辿った道をいくつかの視点で追うという形なのですが、多分あえてそうしてるのでしょうが私にとっては「肝心の」殺戮描写があっさり、というか直接描写はないんで、まぁ・・・・・・シリアルキラーものを読んだ感はないです。
「殺しも芸の肥やし」の方も息をするように人を殺すのがシリアルキラーなわけだから殺すことによって芸が進化・昇華していくというわけでもなく、“お笑い”と“シリアルキラー”という異種設定が話の中で何らかの反応を生んでいるわけでもなく・・・ってな感じ。
せめて遠足バス消失事件だけでももうちょっと詳細に描いてくれたらなー。