『理想の息子』

「マザコンじゃない。母ちゃんが好きなだけだ」と山田様演じる大地に堂々と言い切らせるならば母ちゃんピン子にしてみろよと思った。高校生にもなってピン子と同じ部屋で布団を並べて寝てる山田様とかピン子に下心があるんじゃないかとヤキモキする山田様とか極悪男子校で働くピン子が心配で転校しちゃう山田様とかであったならば「マザコンではなく母ちゃんが好きなだけ」という言葉に圧倒的な説得力が生まれるのにと思いました。まぁ誰もそんなもん見たかないだろうけど(笑)。
だってさー、これコメディじゃないもん。このドラマに流れる気持ち悪さったら笑えるどころか狂ってるとしか思えない。そこに『脚本・野島伸司』が影響してることは多分に認めますが、それを差し引いても笑みを浮かべて母ちゃん母ちゃん言う大地が宗教の人みたいなんだもん・・・。母ちゃんの写真に自分の写真貼り付けて「母ちゃんを抱きしめてるみたいだし」とかなんとか言ったのにはおぞましさすら感じたわ。札付きのワルばかりが通うなんたら高校の中でも恐れられている“本物のワル”である武田(とフジガヤ)がヘタレをあぶりだすだめに「母ちゃん踏み絵」とか持ち出してんのもその発想そのものがおめーらもマザコンだろうがと言うしかないし、どいつもこいつも母ちゃん教の信者かよと。まぁ男はみんなマザコンって言うからつまるところこのドラマが描きたいのはそういうことなのかもしれませんが(フジガヤにも母へのトラウマ=強い思慕があるみたいだし)。
多分制作サイドは気持ち悪いと思わせるつもりで作ってるとは思うんだよね。「マザコンキモスwwwww」的な感じで。でも母ちゃんと息子の遣り取りが妙にねばっこいというか、京香様も山田様も無駄に色気ありすぎってか隠し切れてないがために単なる親子の情愛を超えた何かを感じてしまって笑えない気持ち悪さになってしまってるような。
とまぁドラマ見ながら感じた気持ち悪さがもしピン子が母ちゃんであったならば違う意味での気持ち悪さになると思うわけで、そしてそれは笑いを生むのではないかとわたしは思うんだけどどうよ?(笑)。どんだけピン子にこだわってんだと自分でも思いますが(笑)。
つーかなんで大地をいつの時代だよと思うような荒れた学校に転校させたんだろう。このドラマに「不良」が必要な理由がさっぱりわからん。いや、パートを首になった母ちゃんの次の職場が不良の巣窟である男子校だからこそ大地は転校したわけで、母ちゃんと息子が同じ学校内にいることでいろんな騒動が起こったりしてドラマが展開するんだってことは分かるんだけどさ、極度のマザコン息子と母ちゃんの話と不良の話ってあまりにもジャンルが違いすぎね?。おまけにゆうとりんと杏樹によるもう一本のマザコンラインもあるわけで、山田様と友達になり行動をともにすることでゆうとりんも変わっていくだけでなくマルコバだっけ?そこのトップである杏樹(の実家)の話も絡むんだろうし、山田様ルート・ゆうとりんルート・フジガヤルートと3通りの「マザコン」を描くにしても余計なものがくっつきすぎてて結果的には散漫な感じになってしまいそうな気が・・・。
とは言え純粋に真面目で頭の回転が速く不良相手でも物怖じしない男気溢れる山田様(マザコン)とお金で人の好意が買えると思ってる指しゃぶりがクセの弱気だけど図太いゆうとりん(マザコン)が不良(笑)のフジガヤ&武田に甚振られる図ってのは見ててウハウハしたがな(笑)。