小路 幸也『東京ピーターパン』

東京ピーターパン

東京ピーターパン

現在置かれている立場も抱えている問題も年齢も全く違う人達が音楽を通じてたった一夜限り同じ時を過ごし、そしてまた現実という時を生き抜くための朝を迎える・・・という話でしたが、一番面白かったのは奥田民夫氏による帯の推薦文(?)でした。読んでないけどって(笑)。
それぞれの章で伏線というか前フリがなされているので紅一点の姉が5人を簡単に結びつけてしまうところは許容範囲としてもちょうど良く各パートの担当者がいるってのはさすがに偶然が過ぎるかなーとは思いますが、まぁいい話だし、何よりあらゆるものを超えて人と人とが共有できる『音楽』というものに対する愛が詰まっているので読み心地はとてもよかった。