『深夜食堂』第十一話「再び赤いウインナー」

十一話から始まってることに妙な嬉しさを覚えつつ、なんだろう・・・・・・このどうにもこうにもしっくりこない感じ。前回の続きと言えどOPは新たに撮りなおされ豚汁の具も明らかに豪華になりと恐らく前回とは結構“予算の差”があるんじゃないかなーなんて思うのだけど、何よりも画面が垢抜けた感じがする。あんまりよくない意味で。
前回はほぼ「めしや」の中で話が展開されていてまるで室内劇のようだった印象なのですが、今回はむしろめしやの外シーンの方が多かったからかなぁ・・・。ロケだけでなくBGMも多用されてる気がしたし、めしやの中が人でいっぱいのみならず外も人が行きかってるのがやたら目に付いて、わたしは前回の静かというよりしんみり且つじめっとした場末の空気漂ってる感じが好きなんで、ちょっと残念だなぁ・・・まぁ主演の小林薫を筆頭に、松重豊光石研、そして安田成美を「深夜の30分ドラマ」で使えるってんで気合入っちゃったのかなーなんて思いながら見てたんだけど、松重さんと成美を二人っきりにさせてやるべく成美の子供とキャッチボールをする光石さんが、グローブから零れたボールを追いかけながら我慢できずに泣き崩れてしまう→成美をつれて松重さんと光石さんと三人でめしやに→お浄めの塩・・・とこの展開は素晴らしかった。前半違和感を覚えてた分、不意打ちされた感じ。これ計算なんだろうなぁ。やられたわ。
てっきり成美の旦那だと思ったんだけど、そうではなく成美と松重さんの間を取り持つ・・・とはちょっと違うか、二人のために無理やり会わせてやるちょっとお節介な友人(チームメイト)としての立場を貫く光石さんがついつい泣いちゃったのは切なかったなぁ。あの後ろ姿に貰い泣きしたもん。成美の息子と一緒にいるのにそれでもついつい泣けちゃったっての、分かる気がする。刑事である光石さんとヤクザである松重さんに対し、成美の旦那が「善良」と「普通」を絵に描いたような男なのも上手いよねぇ。
あとめしやの前で兄貴(松重さん)を待ってる山中崇さんがさっと板を敷いて店の入り口をバリアフリー状態にし、兄貴たちが店に入るとほんの一瞬店の中を覗き、そして兄貴たちの時間を守るべく貸切だぞといわんばかりに板に座って待機するのもよかったわー。このあたりのシーンって言葉ほとんどないんだけどさ、それぞれの心情がしっかり伝わってくるんだよね。これぞ深夜食堂ですよ!。


今期はツンデレ頑固親父に渋い定食屋のマスターと、朝に深夜に小林薫を思う存分堪能できて幸せです。どっちも録画ですが^^。