『それでも、生きてゆく』最終話

えーっと、つまり洋貴(被害者家族)はアキを殺した文哉が全く反省をしてなくても、それはもうそういうものとして、アキの死とその家族の存在をそれごと全部飲み込んだと、消化できないかもしれないし、もしかしたらそのうち消化できるかもしれないけどとにかくまるっと飲み込んで、自分の中にソレがあることを感じながら生きていくと、そう思えるようになったってことなのかな。そして双葉(加害者家族)は加害者家族であることを隠し文哉が家族であることから逃げていたけど、これから一生そのことを背負って生きていくと決意したのかなと。同じ舟に乗っていたとしても、洋貴は船尾を見ていて双葉は船首を見ていて、つまり二人が見ている景色は似ているようで確実に違っているのかなーって、「これからのこと」を考えられるようになったはいいけどそれでもやっぱり洋貴と双葉は同じ方向を見ることができないのかなーと、だけど同じ舟には乗ってる、同じ行き先を目指してる、それだけで生きていける、生きていくんだと、そういうことなのかなーなんてことを考えていたら・・・
双葉の被害者の娘の母親になります宣言でポッカーーーーーーン。どうせあのぺこぺこしながらもテコでも引かない雰囲気発動して「延命治療してくださいお願いしますお金はうちでなんとかするんで」「ゆりちゃんの母親代わりを務めさせてくださいお願いしますなんでもするんでやらせてくださいお願いします」と相手が折れるまで言い続けたんだろうなーと想像しますが、同じ被害者家族とはいえいい大人になった洋貴が相手なら好きにしたらいいと思うけど、全く状況の理解も判断もできないゆりちゃんの「母親になる」とかさー、そんなこと思いつくこと時点で理解不能。それらしきことを洋貴も言ってたけどゆりちゃんの気持ち考えてんのか?と。いずれもうちょっと大きくなって自分の母親に起こったこと、お姉ちゃんと呼ぶ双葉と自分との関係を知ることになるゆりちゃんのことを考えてのことなのか甚だ疑問。もしかしたらゆりちゃんは双葉のことを受け入れるかもしれないけど、受け入れるにしたって知ることによって苦しみを味わうことにはなるよね、きっと。その苦しみは双葉が与えることになるわけじゃん。双葉がゆりちゃんの周りをうろちょろしなけりゃ味わう必要がない苦しみなわけじゃん。受け入れた被害者の父ちゃんだってさ、この先ふとした瞬間に双葉のことを本当の娘のように思う瞬間が訪れちゃったりして、そしたらきっと自責の念に駆られると思うのよ。それだって本来ならば味わう必要なんてない苦しみなわけだよね。もっと言うならば文哉にあれだけ怯えていた真岐が大切な娘を文哉の妹である双葉に“育てさせる”ことを望むどころか認めると思ってるのかと。双葉はそういうのも全部背負う覚悟はできてるんでと言うのでしょうが、わたしにはそれって自己満足じゃねーの?としか思えないし、贖罪のつもりだとしたら与える必要のない苦しみを与えることになる贖罪ってなんなの?と聞きたいわ。まぁそれでこそ双葉って気もするけど。
ていうか真岐の父ちゃんに延命治療を続けることを、ゆりちゃんの母代わりになることを、どんな言葉でどんな態度でお願いし認めてもらったのか、そこを描かなかった時点でただのメロドラマになったと思う。結局のところ(兄が)ゆりちゃんから母親を奪っておいて(妹の)自分が幸せになんてなれないってことなんだろうけどさ、悲恋に浸るのは勝手だけど被害者家族をそのための理由にするなよと。ていうか洋貴だって兄が殺した人の家族なわけだからゆりの母親になることと洋貴と生きていくことと何の違いがあるんだって思うんだけど?。双葉にとって洋貴は被害者家族ではなく愛する人になってしまったわけだから全然違いますよなに言ってんですかそんなことできるわけないじゃないですかってなことなのでしょうが、ゆりちゃんの母親になるってのがその代替策のようにすら思えたもんね。
その点、かつては偶然見かけた息子からついつい逃げてしまったわけだけど、今度こそ救いを求めて伸ばされた息子の手をなんとしても握ってやるんだと決意した文哉父はよかったかなと思う。これまでは家族を守るという名目で逃げるだけの人生だったっぽいけど、息子と向き合い続ける覚悟を決めたことで目に生気が宿ったようだったし。つーか娘が2度目の被害者家族に対し何やらかそうとしてんのか知ってるのか?とは思ったけどねw。この人キャパシティ狭そうだから文哉のことでいっぱいで双葉のやることになんか構ってらんなそうだけど^^。
文哉はなぁ・・・・・・母親に捕らわれ続けていたはずなのに母親の顔が思い出せなくなっていて、そしたらなぜか洋貴が持ってきてくれた写真の中の母親は自分に愛情を注いでくれているもんだから何かが崩壊した?ってな風に見えたけど、そもそも文哉の心の闇(笑)がよく分からなかったからまぁちゅうぶらりんの扱いで終わってしまったなーと。それにしてもかざぽんは拘置所(面会室)が似合うなー。面会室のガラスに伸ばした手が綺麗でホウッとなりました。お疲れさまでしたかざぽん。
双葉の決断は別として、オシャレして(洋貴のあれは精一杯のオシャレなんだよね?w)最初で最後のデートからずっとして欲しかったという抱擁、泣き笑いでバイバイ、そして届かない手紙をそうと示し合わせずに木に巻く二人ってのはちょっと良かった。なんつーか、この二人が持つ空気感の真骨頂って感じだったわ。双葉が昔おみくじを木に巻いてるのを見て特別なポストなんだと思ってたとか言い出したことがこういう形で使われるとは思わなかったなー。洋貴の「(人生の)延滞料って、幾らぐらいになりますかね?^^」もまぁアリだと思うしw。
てかさぁ・・・・・・・・・・双葉はこれなんだかんだで洋貴の首にしっかりと縄つけたようなもんだと思うんだけどw、洋貴はいつか双葉が笑って「ただいま」と自分のところに帰ってくると信じて童貞を貫き通すんだろうなぁ・・・とか思ったらちょっと泣けたわ(笑)。てかもういっそ洋貴も草間ファームで働かせてもらえばいいのに(笑)。


次作の予告内で安西ことARATAさんがおかしなヅラ着用してました・・・・・・だいじょうぶかしら・・・・・・・・・。