誉田 哲也『レイジ』

レイジ

レイジ

バンドブームとかバブルとか、その頃を描いた作品を今読むと感じるこの恥ずかしさはなんなんだろうなぁ。私はそこいらへんの時代を覚えてはいるけどその時代を生きていたと言える程体感していたわけではないので懐かしいとか思わないのは当然としても、むしょうに恥ずかしい気持ちになる。
なのでまさしくそこいらへんド真ん中を描いたこの作品も気恥ずかしくはなりましたが、そこは誉田さんなので単なる作者の自己満足ただの懐メロ的なものにはならず、なんとなくいい話に仕上げられてました。主人公がいてライバルがいてヒロインがいるという昭和テンプレなスタイルなのも確信犯だと思うし。

これは好みというか受け手(つまり私)のセンスに問題があるのかもしれませんが、こういう話なんだから物語から音が聞こえてくるような・・・臨場感?があったら良かったな。音を鳴らしてる描写は結構あるのに頭の中にその音が響いてくることはなかった。