[B]柳 広司『ロマンス』

ロマンス

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建築探偵シリーズの「京介と深春」、鉱物シリーズの「葉山と坂下」を筆頭に、色白華奢なナイーブ系とワイルドマッチョ系の組み合わせというのはどんなジャンルであれどんなシチュエーションであれ確実に潤える『鉄板』ですが、この作品もその系列でございます。しかもこれは一分の隙もない高価な英国製スーツに身を包んだ色白で端正な顔立ちのパリ生まれで数ヶ国語を話す青年“子爵”とキリリとした眉が印象的な浅黒い顔立ちで軍服を颯爽と着こなす軍人でありながら“伯爵家の御曹司”ですよ!!。この設定だけで飯何杯食えるかと!!!!!。二人はある事件に巻き込まれるのですが、お互いに対して複雑な想いを抱くわけですよ。葛藤するわけですよ。相手の事を想いあって!!!。まさに至福!!!!!。
それだけでなく美青年子爵とわんこの絡みもあったりして、なんと想像(妄想)し甲斐のある物語なのでしょうかっ(←ぶるぶる震えながら)。
ていうかですね、↑こんな設定でありながら帯に『禁断の恋』とありまして・・・『最愛の人に贈る極上の謎』とありまして・・・・・・そらそっちの妄想発動しても無理ないですよね、むしろ当然といえますよね!!。
・・・・・・と邪まな視点で読んでも大変素晴らしい作品ですし(笑)、邪まな目線でなくてもそこは柳さんなんでクールでありながらもしっとりとしている切ない謎解きが楽しめます。