『鈴木先生』最終話

これまでメインを張った生徒はそれぞれメイン回で学び得たものをベースにした発言をさせて、それ以外の生徒には「デキ婚」というテーマに沿った家庭事情を与え発言をさせ、全員で作った鈴木裁判の流れは見応えあったし、結論は無期限保留とさせてくださいという結末も納得がいくものでしたが、だがしかしこれだけは言いたい。生セックスと酢豚を一緒にするなよ(笑)。今ここで再度鈴木先生の言葉を借りて言いたい、「そんなに酢豚が好きか樺山!?」と(笑)。
いやでもこれ“ドラマとして”どうやって終わらせるんだろうと本気で心配してたんですが、主役でありながら鈴木先生のセリフ・心の声共に最終回が最小だったことからしてもわかる通り、生徒達一人ひとりのこれまでの積み重ねが鈴木裁判で一気に爆発したというか、なんかちょっと見たことがないような“うねり”を生み出していて、そのうねりに圧倒されつつちょっと離れたところから眺めているうちにいつのまにか先生にクラス全員でさようならの挨拶をして下校するという学園ドラマらしい結末に至ってて、ちょっとこれは・・・・・・『凄いものを見た』以外に言葉がねーな。
つーかかーべと岬くんの“経験者コンビ”が凄まじすぎた。二人の「いかに生が気持ちいいか、それを知った上で我慢するのがどれほど辛いことか」という切実な訴えを聞きながら、(わたし肩こり酷いし背中バッキバキにこりすぎて頭痛引き起こすこともしばしばなんだけどマッサージを経験したことないのね。なぜ行ってみないかというと一旦そんな快楽を経験してしまったらそれなしでは生きていけなくなるのではないかと思うからなのね。つまりそういうことですよね?)とか思ってたわたし完全にこの子らより劣ってる気がするんですけどw。樺山の酢豚発言につっこむ資格ないですよねw。
まぁね、性病のことや将来のこと、そんなこと全部“分かってる”けどそんなもんは全部怖くないと堂々宣言したかーべはあれ本当の意味でその大変さや辛さや怖さは分かってないんだろうけどさ、だけどあの真っ直ぐさは滑稽でありながら純粋で、直視できないというか・・・まさに「中二」の今だからこその発言なんだろうなぁ。
てかかーべが言う“生サイコー!”の相手(の一人)は竹地だとクラス全員が知ってるわけで・・・・・・・・・かーべ爆弾が投下された瞬間の竹地の身の置き所がなさそうな表情が秀逸すぎた(笑)。「自分に関係ないことであれば冷静に対処できる自身があるんだ!」と議長を引き受けた竹地なんで、モロ自分に関係ありまくりのかーべ爆弾によってまた暴走したらどうしようかと気が気じゃなかったです(笑)。でも必死で自分を律しようとしてたし、竹地も成長したんだなぁ。てか竹地が超キメ顔で「それが許されているっ!(キリリッ」とか鈴木先生の小っちゃい版みたいなこと言っててワロタw。
小川さんが私が書記をやると立候補し竹地の手からチョークを受け取った瞬間のかーべが浮かべた不満げってか嫉妬丸出しの表情もすごかったなw。竹地思いっきりホンワ〜って顔になってたもんねw。あれがあっての先生さようならした後でひと目(クラスメイト目)はばからず竹地といちゃつくかーべがあるんだよなw。


沙季の改心は元々が「ナカが自分ではなく小川さんと仲良くするようになった」ことが理由なわけだからあれでいいとして、足子先生のみならず神田の話にもちゃんとオチつけてみせたのには驚いた。ていうか神田が鈴木先生に向けた『敵意』の理由がまさかボケーっと見てた1話のクラス編成にあったってことを最終回のあのタイミングで明らかにする構成が巧すぎて。わたし神田のベースは思春期特有の潔癖さ=男を穢いものだと思ってるってことだとばかり思ってた。本来ならばA組だったところを“鈴木先生が小川とトレードしたことで”B組になったという事実を山崎先生がどういうニュアンスで話したのかわかりませんが、あの山崎先生のことだからきっと神田じゃなくて小川がよかったとエロ目線で言ったよね。そんなこと聞かされたらまるで自分は余りモノ、いらない子のように感じるだろうし、そらヤマセンのこともスズセンのことも恨んで当然だよね。それがわかったところでの「なんで私2-Aじゃないの」だもん、神田の印象180度ひっくりかえったよね。で、足子先生の「鈴木のバッキャローーーーーーーーーーーー!」があって、そして鈴木先生が憩いの場である喫煙所でボロ泣きと。これまた凄まじい流れだったわぁ。
鈴木先生の涙の理由はなんなんだろう。桃井先生から神田のフォローは一応しておいたと聞かされた直後に泣いたわけだけど、なんとか鈴木裁判を乗り越えた安堵はあっただろうけどそれよりもやっぱり自分が神田にしたことを知って打ちのめされたというか・・・教師であることの難しさをかみ締めてたのかなぁ。小川をスペシャルファクターとして理想のクラスを作るべく自分が行ってきた“実験”の成果として鈴木裁判はかなり満足いくものだったんじゃないかと思うんだけど(「もう俺、逝ってもいい!」って心の中で叫んでたぐらいだしねw)、受け持ちクラスの生徒の成長に目を見張りながらもそこから“自分の手で”はじき出してしまった結果、神田を追い詰めることになったわけだよね。つまりそれはかつて丸山たち“普通の生徒”にしていたことの繰り返しであるってことだよね。で、もちろん学年全部の生徒を自分が受け持つことなどできない以上丸山=神田のような生徒を出さないだめには他クラスを受け持つ教師たちとの協力であり連携が必要になるわけで、それなのに山崎先生や足子先生を壊してしまったわけで、自分のクラスのみ相手に鈴木式メソッドなどと言っていい気になってた自分の不甲斐なさに気付いた故の涙だったのかなーなんて思ったんだけど。
だからその後、2-Aの生徒が全員でまるで鈴木先生の心を表したかのようなヨレヨレの冴えない折り畳み傘を手にした鈴木先生を待っていてくれて、「結婚おめでとう」と祝福してくれたことは鈴木先生にとって救いであったあろうし、その上で「僕が僕であるために 勝ち続けなきゃならない」「正しいものは何なのか それがこの胸にわかるまで」と決意したってことなのかなーと。


とまぁこんな感じで自分なりにまとめてみましたがw、実はよくわかんね^^。でもテレ東ならではの意欲作であったことは間違いないと思います。同クールで放送されていたので名前を出しますが、JINとはまた違った『本気』を感じました。
博己くんは放っておいてもブレイクするだろうから、生徒役の子たちの今後に期待します!ということで締めさせてください(笑)。