- 作者: 高野和明
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/03/30
- メディア: 単行本
- 購入: 14人 クリック: 433回
- この商品を含むブログ (196件) を見る
一言でいっちゃうと日本とアメリカ(政府)とコンゴを舞台に繰り広げられる人類VS超人類のバトルで、その中にサバイバルあり謀略あり難病あり青春あり親子愛ありともう全部乗せラーメン状態。舞台も視点も頻繁に切り替わるし、その視点を中心に描かれる話も方やアメリカ合衆国のトップ会議、方や日本の貧相かつ地味な大学院生の創薬話とジャンルもスケールも全く違うし、そこにアフリカ奥地の森の中で文字通りの死闘までもが加わっちゃうわけですよ。
だもんで物語の構図がつかめるまではちょっと読み難いし、創薬パートはかなり専門的っぽい書かれ方(恐らく。実際がどうだかは分からないので)なんで物語の流れに乗るまではやや時間がかかりましたが、乗ってからはもう一気読み。脚本も書かれるというかむしろ脚本畑の高野さんだけあって多視点の描き方が切り替えは多いんだけどわかりやすいというか、いい意味でぶった切るのが上手いんですよ。だから最初はまるで複数の物語が並行して描かれているようなものなのですが、それらが向かう先が見えてからはまさしくカタルシスへ一直線って感じ。しかも物語の中でタイムリミットが設けられていて、それがさらなるスピード感とか緊迫感を煽るわけです。まぁこのタイムリミットに関してはややご都合的な気はしましたが、そこは超人類だから「分かってしまうのだ」ってことで納得できる範疇だし、事後譚まで含めてスッキリ着地してくれたので私は全然アリでした。いやー、ホントに面白かったです!!。