柴田 哲孝『サイコパス』

サイコパス

サイコパス

著者のサイトによると“エミコ・クルーニルシリーズ第二弾”とありまして、基本は元FBIの女性プロファイラーと西新宿書の刑事のコンビもの・・・なのかな?「悪魔は天使の胸の中に」という作品の続編にあたるようですが、そうとは知らずに読んだので主人公と刑事の関係性が掴み難かったことと、あと作中で前作で描かれた事件についての言及があるんで、そこいらへんはちょっと残念というか予習不足だったなとは思うのものの、これ単独でも普通に読めました。
よくあるサイコミステリーではありますが、ノンフィクションも書かれる作家さんらしく、パトリシア・コーンウェル切り裂きジャックについて書いた「真相」という作品の内容や、現実にあった社会的出来事(話題)なんかがそれとなく盛り込まれていて、また情景描写、心理描写ともに過度な修飾がされておらず、舞台や捜査陣こそ日本(人)なもののまるで海外ミステリのような空気感だったりして、硬派な作品(シリーズ)だなという印象。