深見 真『ヤングガン・カルナバル グッドバイ、ヤングガン』

ヤングガン・カルナバル グッドバイ、ヤングガン (トクマ・ノベルズEdge)

ヤングガン・カルナバル グッドバイ、ヤングガン (トクマ・ノベルズEdge)

切ないなぁ・・・。なんかいろいろと切ない。殺し屋という道を選んだからには、たとえ引退しようとも穏やかな幸せとか快適な生活とかそういうものを手にする「資格」はないと思うわけで(それでもしがらみとか罪の意識とか、そういうものから“逃げ切って”寿命を全うするってのはそれはそれでアリだとも思う)、だから塵八のこの結末ですらない結末は当然だし納得ではあるんだけど、でもやっぱり切ない。そして今はまだイケイケでいられてる弓華や一登たちもいずれきっと塵八と同じ想いを経験するのだろうと思うと切ないわー。
でも一番切なかったのはついついもうこの世にはいないソニアの力をあてにしちゃって自嘲する毒島さんでした。今作の毒島さんはいつも同様超絶カッコイイ一方でいつもと違ってズタボロになったりするので、毒島さん好きとしてはいろいろと大変でした・・・。塵八の選択にスネる毒島さんとか愛おしすぎる・・・。
ていうかもうこれでヤングガンたちの物語を読むことができないのかーと思ったら、あとがきを読んで本を閉じた瞬間寂しさのあまりちょっと立ち直れそうもないわ・・・とまで思ってしまった。でも俺たちの戦いはまだまだ続く的な終わり方なので、いつかまた大人になって虚先生やソニア、毒島さんポジションになった塵八と弓華の物語を読めることを願います。