雫井 脩介『つばさものがたり』

展開がやや強引なのと書きっぱなしな感は否めませんが、こういう話は卑怯だわ。ここに「恋人」という存在が絡むのがありがちなパターンだと思うのですが、そうではなく「家族」の物語として描くところがニクイ。パティシエだの天使だの使ってるアイテムはまさしくファンタジーなんだけど、家族の物語にしたことで陳腐と感動の目盛りがギリギリのところで感動に傾いてる。