笹本 稜平『特異家出人』

特異家出人

特異家出人

  
始まりは些細なことなんだけど、そこからの話の拡げっぷりが凄い。登場人物も全員揃ってこれといった特徴があるわけではなくそういう面ではちっとも面白くはないのですが、一見関係ないように思える現在進行形の枝がやがてメインの失踪事件に結びつき、そこへ過去の秘密(謎)が加わることで地味に見えた事件が一気に色付く流れは見事でした。