あさの あつこ『グラウンドの空』

グラウンドの空

グラウンドの空

とても想像力、いや、妄想力を試される物語だなと思いました。冒頭で結末というか結果が明かされ、そこに至るまでの道のり(野球に賭ける想い)をチームの要であるキャッチャーを担う少年の視点で描くという構図なのですが、登場するのはバッテリーを組むピッチャーの少年と幼馴染でありファーストの少年の3人だけでして、チーム感といったものは皆無なのです。でも冒頭でピッチャーの少年を囲む少年達の間には絶対にそれがある。そこをいかに妄想で補えるかが力の見せ所かなと(ってなんの(笑))。