『素直になれなくて』第9話

あの、どうしてもこれだけ教えて欲しいんだけど、


みんなナカジのどこがそんなに好きなの?


“女と”楽しそうに花火に興じるえいたんを見る表情とか、無防備なえいたんの寝顔に我慢できなくなっちゃって髪を耳にかける仕草とか、カーテン閉めてヤル気まんまんの表情とか、ドキドキしながらえいたんの頬に自分の頬を近づけながらえいたんの匂い・・・って思わずウットリちゃう表情とか、目を覚まし驚くえいたんの顔を見た瞬間正気を取り戻し口元に手をあて動揺しまくる表情とか、電話を握りしめながらトイレでハラハラ涙を流す儚げな姿とか、もうそういうもの全部があまりにも乙女すぎるもんで玉鉄リンダの絶望は痛いほど伝わってきましたが、その相手がナカジだってのが理解できないんだもん。本気で理解できない。
玉鉄リンダが自分のセクシャリティに気づいたのがいつなのかハッキリしないんだけど、ピーちに誘われたけどできなくて編集長ともできなくて、そこで病院に行ったあたりでようやく俺はナカジのことが好きなんだと気付いた(認めた)ように見えるよね。わたし最初は玉鉄リンダはこれまでもずっと同じようなことを繰り返してきたんだと思ったのね。好きな相手にそれとなく好意を示す→気持ち悪がられる ってことを何度も経験してきたんだと思ったの。で、今回はそれに加えて好きな人のために異性の上司に弄ばれるという厳しいオプションが加わったり、おまけに好きな人の周りをタチ悪い女が2匹もうろちょろしてるってんで限界に達しちゃったのかなーと思ったんだよね。でもよくよく考えたら違うのかな・・・って気がして、もしかしてリンダにとってナカジが「初恋」だったのかなって思えてきて、だとしたらリンダ大馬鹿者すぎんだろ。玉鉄リンダレベルだったらソレ相応の場所に行けばこの先いっっっっっっっっくらでもいい男に出会えるのに!選り取りみどりなのに!!ナカジなんて大した男でもないやつのために死ぬなんて絶対馬鹿。
しかも好きな人が大事な仕事をしてる最中に好きな人(と自分)がよく行く店で死ぬなんてリンダらしくないだろう。確かにリンダは誰よりも乙女ですよ?。でもだからといってそんな如何にも女のあてつけみたいなことはしないって。むしろナカジに迷惑かけずに死にたいって願うのがリンダだろうがと。電話口ではいつも以上に大人で冷静な口調を装いつつ「さっきのは冗談。ちょっと疲れてたからかも。でもナカジにはちゃんと謝りたいし、落ち着いたら必ず連絡するから。仕事頑張って」とかなんとかナカジを安心させることを言ってあげてからなるべく人の目につかないところで頚動脈掻っ切るとかさ、ナカジに見つけてもらいたいという願望があったってんならせめて自分の家だろう。絶対にナカジの仕事を邪魔するようなことはしないのがリンダなんだよ。だって誰よりもナカジを見てたのは、ナカジの「夢」を理解してたのはリンダなんだもん。ナカジがこの仕事にどれだけ賭けてるか知ってるのはそのために文字通り全てを捧げたリンダじゃないか!。なのになんでこんな陳腐な展開になるんだって。えりこには心底ガッカリだよ。
まぁまじめな話(ってここまで不真面目に書いてたわけじゃないけどw)、リンダが死を選んだ大元の理由はパワハラや同僚との関係を含めた職場環境が原因で発症した欝で、そこに叶わない恋心が加わり、ナカジバレでダメ押しってなことだったんだろうけどさ、前回の品川駅での様子や今回の本気でカオルくんを心配してるっぽい編集長がちょっと心配です・・・。リンダがナカジを好きなことも寝てる隙に欲望全開にしちゃったことも知らない(知らされない)わけだから、編集長的にはナカジなんか目じゃないレベルの後悔を抱えることになるのではないかと・・・。もとはと言えば仕事を餌に無理な性交渉を要求した編集長が悪いんだけどさ、編集長はこれまでもそうやって若い男の身体を貪ってきたわけでそれが当たり前ってか、それこそ「私の身体を通って一流編集者への切符を手にした男は大勢いるわ」ってなもんでさ(それもどうかと思うけど(笑))、だから大したことじゃないというか、むしろチャンスを与えてあげるぐらいの気持ちでいたと思うのよ。しかもカオルくんはあのルックスよ!?。あのルックスで中身乙女だなんて思わないじゃん。逆に詐欺だろって言ってもいいぐらいじゃないさっw。もちろん立場を利用して関係を強要したこと自体は反省し後悔しまくればいいと思う。でも今の編集長がカオルくんに対して抱いている思いは“単なるつまみ食い相手”ではないと思うので・・・編集長がするであろう後悔は単純に“部下が自殺を選ぶほど追い詰めた”ってだけじゃないと思うの。だから編集長の今後が心配><。出家とかしちゃうかも><。