『歌舞伎座さよなら公演 御名残四月大歌舞伎 第一部』@歌舞伎座

一階二等席(17列)で見たのですが、座るまで気づかなかったんだけどその席って15年ぐらい前になるのかなぁ?初めて歌舞伎を見た時とまんま同じ席で!わたしにとっての最初と最後(の予定)の歌舞伎座が同じ席だったことになにがしかの縁のようなものを感じてさらに感慨深かったです。『感謝の意を込めて歌舞伎座にできるだけお金を落とそう!』というのが今回のテーマだったんで、お弁当を予約したりお店を見たりしようと早めに会場に着いたものの、歌舞伎座前で写真を撮ろうとしてたら素敵な着物をお召しのマダムに「シャッター押してくださいます?」と頼まれたのを快く引き受けてしまい、そしたら次々と頼まれ結局11組のシャッターを押してあげる羽目に・・・(笑)。わたしったらなんて優しくて綺麗なお嬢さん(と言われたw)なのでしょうか(笑)。これもまぁ思い出ですよねw。
そんなこんなで定番の記念写真はこちら。

カウントボードの前に誰もいない瞬間を捉えるのが相当大変でしたw。
ちなみに奮発したお弁当はこちら。

両方で6千円オーバー。ママンとこれあげるこれ食べてと押し付けあいっこwしながら食べましたがさすがに量多かったわー。食べるのに30分の休憩一杯使ったし。ていうか奥のお弁当が今月一番高額のお弁当なのですが、甘味が3つ(白玉ぜんざいと桜餅とフルーツの寒天和え)も付いてんのが心底分かりませんでしたw。



『御名残木挽闇爭』
まさにめくるめく御曹司祭りでございました。眼福ってこういうことを言うんだと思う。ひっさびさに海老菊が並ぶ姿を見て大興奮!。しかも二人の衣装がお揃いとかもう頭パカーーーーン☆てなるっしょ!w。上手から秩父庄司重忠:松緑工藤祐経染五郎、大磯の虎:孝太郎、曽我十郎:菊之助、曽我五郎:海老蔵、小林朝比奈:勘太郎、鬼王新左衛門:獅童、片貝姫:七之助、小林舞鶴時蔵が並んでせり上がってくるんだけど、あまりの美しさにクラックラしながらも目は真ん中の二人(海老菊)に釘付けですよ。他も見たいのに目が離れてくれないw。あまり好きではない海老なのに、隣に菊ちゃんがいるととんでもなく素敵に見えるマジックは健在w。
話の筋は曽我の対面を軸(元)にし、工藤が曽我兄弟に渡した袱紗に包んだ絵図面が新歌舞伎座の図面で、工藤が無事に舞台造営(新歌舞伎座)の奉行職を終えるまでは仇討は出来ないと伝え、だから3年後、舞台が完成したらまたこの場所で再びまみえることを約束しよう(新しい歌舞伎座で会いましょう)・・・というまさに歌舞伎座での最終公演の幕開けを飾るに相応しいものでした。歌舞伎座の話を絡めてくれただけでも嬉しいのに、三部で團十郎さんが演じている助六(実は曽我五郎)を海老が、おやじさまが演じている白酒売新兵衛(実は曽我十郎)を菊ちゃんが演じてるのもニヤリってするし、闇爭の動きは一つ一つに魂が籠もってて、これからの歌舞伎界は自分たちが担っていかねばという意思表明にも思えた。最後に見せた三津五郎さん演じる悪七兵衛景清の飛六方も良かったわー。やっぱ飛六方はテンション上がる(笑)。華やかで素敵な舞台でした。


『熊谷陣屋』
最初に歌舞伎を見た時と同じ席だと書きましたが、実はその時見たのは『仮名手本忠臣蔵』で(他にもあったけど記憶にあるのはこれだけ)、吉右衛門さんを見て「うわー、生鬼平だー!」と興奮したことを思い出しました。今となってはなぜ“歌舞伎を見てみたい”と自発的に思ったのか全く分からないのですが、見たいと思った月に吉右衛門さんがご出演されていたおかげで今も歌舞伎を見ているわたしがいるんだと思います。やっぱり知ってる人が出てるのと出てないのでは大違いだと思うのね。特にわたしのような基本ミーハー女にとっては。だから吉右衛門さんにはとても感謝しているし、歌舞伎座で見る最初と最後の公演で吉右衛門さんを見ることができたってのも縁だよなーとか思ったり。わたし「熊谷陣屋」ってはっきりいって嫌いな話なのですが^^(だって相模の救いが全くないんだもん)、そういう想いが後押ししたのでしょうか・・・吉右衛門熊谷直実の「十六年は一昔、夢だ夢だ」には自分でも驚いてしまったほど、揺さぶられました。華やかで美しかった一つ前の花形舞台に対し、こちらは重厚で濃厚って感じ。見た目や動きの美しさはないけれど、間や空気に濃密な品と色気があって圧倒されました。どちらがいいとか悪いとかじゃなくて、どっちも歌舞伎の良さだよなーと。そして終わった直後にママンと二人ですごいねってザワザワしたのが白毫弥陀六の富十郎さんでした。わたしこれまで多分ほとんど富十郎さんを見たことはないかと思うのですが、これだけ熱演してる吉右衛門さんに声量も迫力も全く負けてないのに驚いてしまいました。ていうかよくよく考えたら歌舞伎座吉右衛門藤十郎富十郎の「熊谷陣屋」を観ることが出来たって幸せなことだよねぇ。きっとわたしの財産になると思いました。それぐらいすごい舞台だった。
でさ、来月これを花形がやるのよね・・・・・・。なんていうか・・・松竹鬼だなと(笑)。


『連獅子』
「よっ!中村屋!!」


もうこの一言ですわ(笑)。中村屋兄弟の、中村屋親子の息の合いっぷりパねええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!。毛ぶりだけでなく、全ての動きが息ピッタリ。カンタとセブンの兄弟は崖下に突き落とされた子獅子が気を失う場面でジャンプした勢いを殺さずに花道に胡坐で座るのとか完璧すぎて笑っちゃうぐらいで、この二人の身体能力の高さを改めて見せつけられたし、勘三郎さんはそんな子どもたちを思う親獅子が心配する様がもうリアルに親獅子がそこにいる!!って感じで、崖上から子獅子を覗き込む姿が川面に映り、気がついた子獅子がそれを見て必死で駆け上がろうとするその様はほんとにその情景がバーンと見えて、うっかり涙ぐんでしまいました。わたしあんまり中村屋ってか勘三郎さんの芸って好きじゃないんですよね。押し付けがましい感じがして。でも踊りならその“濃さ”がちょうどいい(セリフ言わなきゃいいってことか?^^)。
そうそう!うっかり涙ぐんだといえば、後見が小山三さんと鶴松くんで、親子が蝶と戯れる場面で二人そろっててふてふを操るわけですよ!!ここにも伝統が引き継がれようとしてるんだなーとか思って実はこの場面が一番グッときました(笑)。
前シテと後シテの間に橋之助さん演じる蓮念と扇雀さん演じる間狂言(今風に言うとコントw)が挟まれるのですが、これがまためちゃめちゃ面白かった。いかにもおっちょこちょいっぽい(褒めてますw)橋之助さんがぐいぐいと押しまくり、それを扇雀さんが飄々とかわしながらここぞというところでお返しするって感じでこちらも息ピッタリ。「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」が入れ替わる見せ場では涙出るほど笑えました。そして最後に橋之助さんが「中村親子にそっくりの連獅子が来るぞ〜」で場内大拍手w。ハッシーはこういうとこ上手いよねー。
後シテは歌舞伎界初(なのか?)の親子三人引っ込み(花道を前を見たまま後ろ足で猛ダッシュで引っ込む芸)で始まったのですが、後方にいたセブンが一人ものっそい早く引っ込んじゃったのがアチャーでしたがw、いやいや〜これすごかったわ。ただでさえ重そうな衣装着てるのに、その上頭に長い毛被ってそれを踏まずに後ろ足でダッシュだもん。
でね、この赤毛の子獅子バージョンになったセブンがめっっっっっっっっっっっっっっっっちゃめちゃ男前なの!!!!!!!!!!!!!!!!!。以前兄弟連獅子は見たことあるはずなんだけど、え?やだちょっとこのセブン超カッコいいんだけどなにこれわたし聞いてないっ!ってその場で大慌て(笑)。前シテの前髪パッツン姿も可愛かったんだけど、これはさすがにカンタの破壊力の印象が強すぎてさほどセブンに目はいかなかったんだけど、ガッツリ隈取のこの赤毛の子獅子セブンはやーばい!姫だけの男とか言ってゴメン><w。
で、中村屋の毛ぶりはやっぱり凄かった。毛ぶりと一口に言ってもいわゆる髪を狂ったようにグルグル回す「巴」だけでなく、毛を左右に振る「髪洗い」とか振り上げた髪を舞台に叩きつけるように振り下ろす「菖蒲叩き」といった動きがあるんだけど、それ全てが見事なまでに揃っているわけですよ。体格差だけでなく年齢差もあるわけで、その上で毛の動きを合わせるってのは想像以上に難しいんだろうなぁと思いつつ(今年のお正月に松緑さんとラブのまるで揃ってないヤケクソの毛ぶりを思い出しつつ(これはこれで面白かったんだけどw))、とにかく感嘆しきりでございました。この親子の連獅子は日本の宝です。



最後にもう一度歌舞伎座で歌舞伎を見ることができて幸せでした。
三年後、新しくなった歌舞伎座でまた歌舞伎を見るために、見ることができる自分でいられるように、わたしもいっぱい頑張ろうと思います。