道尾 秀介『球体の蛇』

球体の蛇

球体の蛇

無理やりどこかのジャンルに分け入れるとすると「青春小説」ということになると思うのですが、さすが道尾さん、めちゃめちゃダーク・・・。精神的追い詰められ感が尋常じゃないです・・・・・・。スノードームや星の王子様などというイメージ的にはファンタジーアイテムをこういう形で使えるのが道尾さんの魅力であり恐ろしいところだと思います。後味(余韻)も悪いのなんのって、こういうの大好きです。
物語の中心となる二人の女だけでなく、さほど多人数ではないものの登場する女がどれも非常に生々しく、道尾さんってこんなに女を描くの上手かったっけ!?と驚いてしまいました。この人天井(限界)知らずだなぁ。