第21回 フジテレビヤングシナリオ大賞『輪廻の雨』

坊ちゃまと瀬戸様の見目麗しい兄弟愛だけを求めての視聴でしたが、肝心の二人の絡み、特に坊ちゃま兄が瀬戸様をガシっと抱き寄せ「兄ちゃんがお前を守るからっ!」的なシーンが期待したようなものではなかったんでまぁ・・・うーん・・・・・・・・・・・・・・・微妙?。
ドラマの感想としては、別段目新しさがあるわけでもなく、おそらく死ぬのであろう兄は心残りだろうけどある意味苦しみからは逃れられるといえると思う一方で、医療刑務所に入るであろう弟は服役を終えたあとどうするんだろう・・・ていうかなんで貫地谷ちゃん(坊ちゃま彼女)は瀬戸様が包丁持って出て行くのを止めなかったのだろう?と思うぐらいでこっちもまた微妙な感じです。
ていうかさ、両親のことから始まり、犯してしまった殺人に至るまで兄は知的障害がある弟に対して「人は死んだらみんないい人に生まれ変わる」と教えてきたわけで、兄にしてみれば言い方悪いけど弟に対し「誤魔化し」続けた結果、自分の言ったことを愚直に信じた弟の手によって裁かれたわけだよね。そして突如暴力的になり自分に対して「死ね」と言い捨てた兄が“悪い人”になってしまったと思った弟は、兄のお腹に包丁を突き刺すことで兄ちゃんはいい人に生まれ変わると信じてるわけだよね。考えようによっては幸せな結末といえなくもないかなーとは思うんだけどさ、これで終わりでいいんかよ?とも思うんだよな。恐らくドラマ好きであればあらすじを読んだだけで野島信司の「聖者の行進」を思い出すと思うのですが、あちらはハッピーエンドとはちょっと違うけど、未来に対する明確な希望のようなものがあったよね、確か。それに対してこのドラマは“兄に教えられた輪廻を信じる弟が兄を刺しました。兄は弟を安心させようと幸せそうな笑顔でそれを受け入れました”ってとこで終わるのね。いや、その先が見たいんだけどと思うのは贅沢なのでしょうか。弟や息子が殺人を犯したことに気づいてる父親、そして一部始終を目撃していた兄の彼女のその後を想像させるさわりだけでも見せて欲しかったかなーと思ったんだけど。理由はどうあれ兄弟が殺人を犯しそれを隠蔽しようとしたのは事実なわけでさ、しかも兄は一旦は逃げようとしたわけじゃん。ていうかそもそも殺したのも死体を埋めたのも当然兄の判断だったわけでさ、でも結局は弟が兄を殺したという現実だけが残ったわけでしょう?。なんかさー、兄ちゃん死に得じゃね?とすら思ったのよね・・・。それに実際の話、弟の前に『死んでいい人に生まれ変わった兄ちゃん』が戻ってくることはないわけだし。結末が曖昧なのも後味が悪いのも決して嫌いではないのですが、これはそれ以前の話かなーと。
まぁ最初に書いた通り完全なる坊ちゃまと瀬戸様目当てだったんで内容がどうであれ二人がよければそれでよかったんだけど、瀬戸様は役柄が役柄だけにこんなもんだとしても坊ちゃまがなぁ・・・・・・思い悩む姿も追い詰められる様も堪えていたものを爆発させる様も、どれもイマイチだったもんでこんな評価となりました。
ん?それは坊ちゃまの演技力の問題だって?
あーあーあー聞こえなーーーーい><。