『侍戦隊 シンケンジャー』第三十八幕「対決鉄砲隊」

殿と爺の物語だけ見れば、殿が珍しく素直に本音を語ったことや爺の「殿や皆のことこそ、この爺にとって何より(大切)」という言葉を受けてのバズーカと剣を使っての変則ガンカタ、そしてラストの殿による粋な計らいと戦う男・爺の後ろ姿ってのはよかったと思うし、爺のために(殿の頼みを聞くために)奮闘する流ノ介たちや黒子ちゃんたちの図ってのもホッコリしたし、悪くはなかったと思う。でもなぁ・・・よくよく考えたらさ、モロモロの事情が許さず時々行けないことはあるけど、基本この日は「毎年いつも」お墓参りを兼ねて娘と孫に会いに行ってるってことでしょう?時々行けないってことは大抵行けてるってことよね?別に殿の世話をすると決まってから1度も会ってないってわけじゃなく。なんか中途半端じゃね?。父と娘がお互い遠くから顔を見合っただけで言葉を交わすことなく一年に一度しかない「その日」を終えた・・・ってのは確かに素敵なシーンではあったけど、もしかしたら去年は普通に会って孫を抱き上げてキャッキャしてたかもしれないわけでさ、そう思ったらさほどのことでもなくねえ?とか思っちゃったんだけど。殿としては爺はお墓参りに行ったと思ってたわけよね?それが実はヒロのところへ行ってたって知ったのは戦闘中のことだったわけよね?あれが帰り道だったということは一件落着からあの親子対面の間にさほどの時間はなかったと思うわけで、とすると殿に呼ばれてあの場まで出向けた娘家族はそれほど遠いところに住んでるわけじゃないということになるわけで、揚げ足取ってるみたいな自分がイヤだとは思いながらもなんかさ、ナレーション大袈裟じゃね?とか思ってしまったのよね・・・。
それに大ピンチ!って時にまたもや都合よく新武器が登場したのは何もいうまいとしても、寿司屋ならまだしも牛折神の時にまったく使えねえディスク作ってたガキが作った武器を何のためらいもなく使ったのも萎えたわ。つーか牛折神の力そのものは殿の手元にあるわけですよね?爺だけはヒロがバズーカ開発してることを知ってたみたいだけど殿は知らなかったっぽいじゃん?てことは開発のために牛折神のディスクを貸し出してたとかってこともなさそうだし、何をもってしてあのバズーカを「完成」としたのかなと。まぁ電子モヂカラなんてものがあるぐらいだから爺が牛折神の力をデータ化してヒロに渡してたとか言われたとしても驚かないけど。
てか今回って変身解除に陥るほどのダメージを受けた寿司屋を筆頭に、殿の言葉が届かないほど家臣たちがボロボロになってしまい、それを庇わなくてはならずスーパー化した殿ですら打つ手がないって状態だったじゃん。殿のことだからその時はその時でなんらかの対応策を考えてくれるだろうとは思うけどさ、ヒロがあのタイミングで新武器完成させてなかったら、それを爺が自分の用事を蹴って取りに行ってくれてなかったら、果たしてどうなってたんだろうね。これまでも寿司屋がタイミングよく新武器開発してくれたりしてたから展開的には大差ないものの、今回はヒロと爺と二段階を踏んだせいか特に他力本願的な感じに見えてモニョったなぁ・・・。しかも結果だけ見れば雑魚兵であるナナシの攻撃で窮地に追いこまれたわけだし・・・。まぁ今回の外道衆は外道衆らしからぬ正統派というか、人々を苦しめて三途の川を増やすのではなく明らかにシンケンジャーを攻撃するという目的で行動してたわけで、これまでの戦いとは勝手が違ったってことはあるかもだけど、だからこそ余計にシンケンジャーに戦うことへの慣れというか驕りが見えたというか・・・この程度の攻撃でボロボロになってるようじゃまずいんじゃないの?って気はしました。てか単体での戦闘力は大したことなかったけど、あたりに配置した鉄砲隊を気取られないようまず自らが姿を晒し敵の目をひきつけておくとか、イクサズレの指揮官としての能力はなかなかのもんだったわよね・・・なんたって殿が辺りの気配に気づかなかったぐらいだし。シタリさんが今回の戦いの内容をどう捉えるのか分かりませんが(きっと次回のナナシはまた刀持ってるんだろうけど)、今後もこういう戦いを仕掛けてくることを想定し、新武器があるから大丈夫★ってんじゃなく、夢を諦めるだの家族と会わないだの精神面ばっか鍛えてないで侍としての腕そのものも鍛えてくださいよーと思いました。
文句ここまでっ。


爺に年に一度の休暇と言う名の家族団らんを楽しんでもらいたいと策を練る流ノ介たちは可愛かった!つーかお前らノリノリすぎだろうとw。その日の昼間?に爺の休暇のことを聞かされ、その夜にはもう隙間センサーのニセモノ作り上げてるとか寿司屋本気出しすぎだからねw。まぁ爺にはクオリティ低いってダメ出しされてたけどw。すり替えた本物の隙間センサーを「本物は私の部屋の押入れにでも。シッシッシ」って言いながら流ノ介がすごい悪い顔して笑ってたんだけど、この時の顔、なんだっけ?チキチキマシーン?車に乗った灰色の犬がする笑い顔にそっくりだったよw。
黒子ちゃんが足止めしてくれてるはずなのに(黒子ちゃんも協力してくれてるんかw)「いやいや、遅くなった」と爺が現れたのを見て、思わず両手広げて背後を隠そうとしてでもそれは殿らしくないと考えたのかなんなのか、静かに慌てる殿は可愛かったけどw、爺に「殿、何かございましたか?」と聞かれて「へっ!?」ってこの声やだwwwこれはさすがに殿じゃねーwww。
てか素朴な疑問なんだけど、会議では黒子ちゃん喋るのかなぁ?爺が発言する→黒子ちゃんジェスチャーで返答→それは○○ということか?と爺が声に出して確認→うんうんと黒子ちゃん頷く とかだったら爺の負担が大きすぎるよなw。でなかったら筆談とか?その場合はやっぱりらくがきんちょ使用でしょうかw。
不自然に膨らんだ寿司屋の腹(笑)(これ絶対狙っただろうwww)について聞かれた流ノ介の「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙〜(聞こえなーい)」ってのはあまりのアドリブの利かなさにガッカリしましたが(笑)、ことはの便秘にはびっくりしたわw。この発言といい後の黒子ちゃん手配ミスといい、今回はことはのダメっ子というかドジっ子というか、そういう面が輝いてて非常によろしかったと思いますw。
寿司屋「しっかし、便秘はねーよな、ことはちゃん」
流ノ介「仕方ないだろ。今日から便秘キャラでいけ」
寿司屋「そうそう、私今日もお腹が張っちゃって張っちゃって、こら便秘かな?ってどんなキャラだ!」
流ノ介「へっへっへっへ」
寿司屋「えっへっへっへ」
もよかったしw。てかお前らこういうことになると仲良しってか無駄に意気投合するよなw。

でさ、爺のために隙間センサーを偽物とすりかえると聞いてどんな理由があれいくらなんでもそれはやりすぎじゃねーのか?と、シンケンジャーとしてそれはやってはならないことではないのか?と思ってたんだけど、夜通し正座で本物の隙間センサーの見張りをする流ノ介(とその肩にもたれかかって爆睡してる寿司屋w)というフォローがあったので心底ホッとしました。これ絶対流ノ介が隙間センサーの番を買ってでたんだよね。「シッシッシ」だの「あ゙あ゙あ゙あ〜」だのいつもにも増してハイテンションな流ノ介でしたが、こういうところは頼りになるのよね!!。ていうかあれ?流さん途中で髪きった??。
流ノ介の部屋の押入れで隙間センサーが鳴り(あれ、屋敷中に聞こえるとかじゃないんだね^^)、思いっきり不自然な慌て方で出て行く殿たちを見て、爺が「何事だ?隙間センサーも鳴らんのに」と呟くのを聞いて小っちゃくガッツポーズする黒子ちゃん可愛すぎるだろう!!(よっしゃ!作戦成功!!)とか思ってたんだよねーw。でさ、もちろん殿の命だからってのもあるだろうけど、黒子ちゃんがこうやって喜びを表すってのは爺が黒子ちゃんたちに慕われてるって証拠なんだよね。こういうちょっとした動作で喋ることができない黒子ちゃんたちの気持ちを描くのは上手いなーと思う。
今回は爺とともに黒子ちゃんも大活躍回でしたが、予告にあった黒子ちゃんのGJ!が「殿カッコいいっス!」のGJではなく、手榴弾(?)で殿たちのアシストをしてから〜の「殿、頑張ってください!」のGJだったとは!!!。つーか黒子ちゃんの手配までも爺の仕事だとは思ってもみませんでしたが(黒子ちゃん内にも炊事係とか殿のお世話係とかことはのお世話係(←一番人気)とかいろんな役職があって、その中でも一番人数が多いのが戦う殿たちのフォローをする出動係の黒子ちゃんで、その中でも「い」「ろ」「は」とかいくつかの組に分かれてて、今回は「い組」が出動したから次は「ろ組」が出動するとかローテーション制になってると想像していたので)、ことはの仕切りで4人だけ出動したものの、当然黒子ちゃんには経験値というものがあるわけで、心の中ではきっと(4人て!ことはどの4人て!!)(いくらなんでもこれ無理だろう・・・)とか思っていたに違いなくw、だからこそ少人数でも不測の事態に対応できるよう通常よりも多めに手榴弾を用意していったのよね、きっとw。まさに黒子ちゃんGJだわ!!!。

背中にバズーカ担ぎ颯爽とバイクで現れ敵と蹴散らし、ズザザザーッと回り込むようにしてバイクを止める爺はどうみても30分後の世界でしたがw、伏線の回収というほどのものではないけど、“爺がバイク乗りである”という設定を上手く拾ったなと思いました。機動力がなきゃ今回のこの展開は無理だしね(まぁその時は馬に乗って来るとかいろいろとやりようはあるだろうけどw)。
殿たちのピンチに駆けつけた爺と殿の会話をイクサズレが「三文芝居」と言ってのけたのには思わず反論できねえ(笑)と思ってしまいましたが(それ以外にもドウコクさんがこの停滞した空気に風穴を開けてくれだっけ?まるで今のシンケンジャーの現状に対する視聴者の気持ちを代弁してくれているようでしたが、つーか呑んでるだけで何もしてねえお前が言うな(笑)よな)、殿(や皆)のことが何よりも大切だという爺の言葉を受けての「参る!」で地面に突き刺さったシンケンマル引き抜きながらのガンカタは超絶カッコよかったです!!。「殿、スーパーシンケンマルをバズーカに!」に「分かった」って応えバズーカをクイッと振った勢いでディスク宙に浮かせ、シンケンマルをガシャコンとセットし、落ちてきたディスクをキャッチすんのとかやべえよおおおおおおおおおお!久々に殿の最強っぷりが見られたのでちょう満足だよおおおおおおお!!。いつもよりも殿の動きにキレやスピードがあったのは、きっと爺の言葉が嬉しかったからだと思うのよね。今回の殿は茉子さんも驚いていたように「頼む」と頭を下げたりしてて、もちろん以前ほど自分を偽らずに済んでいるというか家臣たちとの間に壁がないからってのはあるとしても、それでも爺のためだから頭を下げて頼んだんだと思う。ことはに「殿様、ほんまに優しいんですね」といわれて思わず「えっ!?」と思いっきり素顔で驚いちゃってたけど(これちょう萌えた!ほんまに優しいんですねって言うことはが心から嬉しそうなキラッキラの目で殿を見てて、殿の素を引き出すことはいいよいいよー!)、
ことは「彦馬さんを大事にしてはって、家族のこともちゃんと」
寿司屋「そりゃ、育ての親だもんな」
流ノ介「親孝行ってやつですか?」
と言われ、
「そんないいもんじゃない。今までも爺が墓参りに行かないことはあった。俺が寝込んだり、ナナシの動きが活発だったり。それでも、俺は何もしなかった。侍なんだから仕方ないし、当然だってな。でも、こないだの、茉子の家族とか・・・いろいろ、お前たちのそういう・・・つまり、爺にもお前たちみたいに持ってなきゃいけないものがある。そう思った。・・・・・・それだけだっ」
って思わず本音を言っちゃった殿には『もってなきゃいけないもの』がないんだもんね。侍であることが全てだと思って生きてきた殿だけど、家臣たちとともに過ごすようになり、それだけじゃないんだってことを知ったわけよね。家族も、共に夢を追う仲間も、自分は持ってないんだってことを知ってしまったわけよね。でもだからって落ち込んだりしてるわけにはいかないのよね。だって殿は志葉家18代目の当主なんだもん。たとえ一人になったとしても外道衆と戦わなければならない宿命なんだもん。そう思うと↑この本音って殿ってば優しい><だけじゃなく、すごい切ない台詞なわけでさ、そういう殿の想いがあっての「殿や皆のことこそ、この爺にとって何より(大切)」って爺の言葉は、この日に言ってくれた爺の言葉ってのは、黙ってこの生活を受け入れてくれている爺の娘の気持ちもひっくるめて殿にとって何よりのエネルギーになったんだろうなーと。殿の戦いっぷりを見て、ああ、この二人には家臣たちとはまた違う深い絆があるんだなーと思いました。
爺と娘の距離感が中途半端じゃね?と文句垂れましたが、たとえあの後爺が娘に「さっきは殿たちの手前お前たちのところに行けなくてすまなかった。来年は必ず墓参りに行くから」ってフォローの電話を入れてたとしてもw、あの場で娘に背を向けた爺は多分殿のそういう気持ちを分かっててのことだったんだと思えばちょっと泣けるわw。


殿が本音をポロリしたのが次回への辛い布石でないといいんだけど・・・。