小路 幸也『brother sun 早坂家のこと』

brother sun 早坂家のこと

brother sun 早坂家のこと

途中までは本から立ち上る幸せオーラが眩しすぎて眉間に皺が寄っていたわけですが、書き下ろしである最後の1章がそれまでの空気をピリっと締めてくれたのでそれが負け犬街道まっしぐら中の私にとっては随分な救いとなりました。
バンドワゴンを筆頭に小路さんの家族モノを読むといつもサザエさんが浮かぶのですが、共通して感じるこの“穏やかな日々ばかりではないけれど、家族揃って健康であればそれが一番の幸せ”という空気感は、小路さんが幸せだから描けるのか、それともこういう幸せを求めているからなのかどっちなんだろう?と思います。