古処 誠二『線』

線

“普通の人々”を描く古処さんの小説には驚きの展開やドラマティックな展開はほとんどありません。ただただあの時代に生きる人々を淡々と冷静に描くだけです。でもそこにはちゃんと人がいて、必死で生きてる人がいて、そしてその人なりのドラマがあるのです。そういう人達がいて今の自分がいる。古処さんの本を読むといつもそのことを考えさせられます。否応なしに生きることの意味を考えさせられる。
古処さんの本をいつでも読めるところに置いておくことは、私が生きていく上でとても重要だと思う。