全労済ホール/スペースゼロ・提携公演 ルドビコ★Vol.5『ROMEO−午前0時の訪問者−』@全労済ホール/スペース・ゼロ

縁あって出演者の方々に直接感想を伝えることができたのでその時点で咀嚼済みであり改めて感想を書かなくてもいいかな・・・と思ったのですが、観劇記録としてメモ書きを残しておこうと思います。



ロミオがジュリエットを追って悲劇的な最期を遂げようとしたその時ロミオの目の前に悪魔が現れ、ジュリエットに再び逢いたいと請い願うロミオに対し大切なものと引き換えにその願いをかなえようと契約を持ちかける。ロミオが悪魔と契約を交わしてから500年以上の月日が経つが未だにジュリエットとはめぐり逢えず、美しさや若さ、明るさや生気など持っていた全ての魅力を契約の対価として悪魔に吸い取られたロミオは今では「ブイオ」と呼ばれる闇そのものと成り果てていた。現在の国はそのせいで1日2.3時間程度しか光が差さず、闇に支配されていた。家を継ぐことを嫌いフラフラとしている「ロミオ」は兄の畑から大根を盗もうとした「ジャン」と名乗る少年と出会う一方、対立するキャプレット家に「ジュリエット」と名乗る娘がいることを聞きかじり、キャプレット家に侵入。窓越しに出会ったロミオとジュリエットはひと目で恋に落ちるが、ジュリエットは光の王子「パリス」との結婚が決まっていた。手に手を取って逃げようとする二人の前に現れ、道案内をしてくれたのはジャン。ジャンとジュリエットは共に“作られた”存在だが“不良品”であった。ロミオはジャンに共に逃げようと手を差し伸べるが、ジャンは首を振って拒絶。そうこうしてるとブイオが現れロミオに剣を向ける。追ってきたパリスも加わり混戦になるが、パリスがロミオめがけて振るい降ろした瞬間、その剣を受けたのはブイオだった。ブイオはジュリエットを待ち続けることに疲れ果ててしまっていたのだ。何故邪魔をするのだ!?とブイオを問い詰めるパリス。実はパリスもまた悪魔と契約を結んでおり、その代償が結婚相手と称し集めていた娘たちであったのだ。ついにパリスの剣がブイオを斬ろうとしたその時、身を挺してブイオを庇ったのはジャンだった。そこへ悪魔が現れ、ブイオにジュリエットはお前のすぐそばにいたのにと告げる。ジャンこそがブイオのジュリエットだったのだ。ブイオの腕の中で「やっと会えた」と笑顔で死ぬジャン。ブイオもまた「これでようやく一緒になれる」と命の炎を消した。そしてロミオが渾身の力でパリスを倒すと国には光が戻った。ロミオこそが光の王子だったのだ。その後はみんな幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。


大筋はこんな感じ。
過去のロミオ(オサムちゃん)と同様過去のジュリエットも生まれ変わったらまたロミオと出会いたいと悪魔と契約を交わしていたんだけど、対価として様々なものを奪い取られたということは恐らくこれまでも何度も生まれ変わったジュリエットと出会っていただろうに鈍感なオサムちゃんロミオは気づくことができなくて、500年(600年だったかも・・・)かかってようやく気づいたジュリエットは少年でしたー!でも超美少年だから全然イケる★って感じかとw。ジャン役の鈴木拡樹くん(以下麗羅)はまんぺアリスでもほぼヒロインと言っていいポジションだったのですが、今作ではついにガチヒロインですよ(笑)。ええ、妥当なキャスティングだと思います。妥当どころか適役と断言してもいいわw。男の腕の中で息絶える姿の儚げで可憐なことと言ったらそんじょそこらの女優じゃ太刀打ちできないって、マジでw。しかも麗羅はほっとんど汗かかないんだよね。特に今回の役はボーっと突っ立ってたりペンギンみたいにトコトコ歩くぐらいで動き自体はほとんどなかったせいもあるけど、オサムちゃんや誠治郎くんが汗ボッタボタ垂らしながら熱演してる隣でサラーッとつるーんとすべすべーっとした顔(肌)の麗羅を見ると同じ男という生き物だとは思えませんw。
麗羅が演じるジャンはちょっと知能に問題がある子なのね。これちょっとよくわからなかったんだけどジャンとジュリエットは人造人間のような存在だと見て取れたんですが、作られた存在でありながらここまで人間と意思の疎通がしにくいものになってしまった理由はジュリエットの魂が入っていたから、ということなのだろうか。人間に与えられた知能とジュリエットの自我が相容れなかった結果こうなってしまったのかなぁと。まぁ単純にオサムちゃんロミオが自分がジュリエットであることにようやく気づいてくれた瞬間その腕の中でそれまでカタコトというか棒読みというか感情というものが全く出なかったジャンの顔に笑みが浮かび、声も言葉もジュリエット本来のものに変わるというその劇的な瞬間をより効果的にするための設定だったとは思うけどw。
麗羅のことはデビュー作から結構見てきてるんですが、可愛い少年役はもう鉄板と言えると思う。こういう役に関しては驚きはないけどいつも安定した力を発揮してくれるから安心してみていられます。この先もしばらくは恐らくこういうタイプの役を与えられることが多いと思うので、となるとやっぱり180度毛色が違う三蔵役は貴重だよな。早く続編が見たいよー(いつもこのオチですいません^^)。
麗羅ジュリエットがオサムちゃんロミオに抱かれてる背後で現代のロミオである誠治郎くんがジュリエット役の平田薫ちゃんの頭を「(友達の死を)見るな・・・っ!」って感じでかなり強引にガバっと自分の胸に抱き寄せ、そして強く抱きしめるんだけどね、そこすっごいときめいた><。誠治郎くんの衣装は舞台は恐らく日本ではないどこかの国だろうになぜか半袖の袴姿なのですがw、捲り上げた袖から出てる二の腕がものっそいいい感じの逞しさでね、その腕で女子をガバッ!グイッ!ギューーーーーーーーッ!!っとするわけですよ!ええ、汁もんでございます^^。でも誠治郎くんロミオは基本能天気馬鹿でねw、るいるいと斉藤祐介さんをバックにものっそいアホキャワなアイドルソングを歌い踊ったりするわけですよw。ロミオに関しては完全に誠治郎くんへのあて書きだろうけど、誠治郎くんはほんっとに『腕っぷしは強いが頭は弱い』役が似合うわw。
そんな誠治郎くんとオサムちゃんのガチンコ殺陣は凄かった!これは見る価値あったわ!!!これだけスピードと手数がある殺陣を見たのはひっさびさ!。魅せる殺陣ってよりも感じさせる殺陣って感じで、そんなに長い時間ではないんだけど思わず息するの忘れたぐらい凄かったです。元々誠治郎くんの殺陣は好きなんだけど、誠治郎くんと対等にやりあうオサムちゃんを見て、そうよ、オサムちゃんって兄様なんだわ・・・・・・!と思い出しました^^。オサムちゃんやっぱカッコいいわ!ちょっと身長が低いのが難点だけどやっぱカッコいい!!。
寿里たんはあの人の相方ポジションになる悪魔ベールゼブブ役としてOPシーンでは客席登場したり賑やかし担当でした。ビジュアルはまさに寿里たんの真骨頂!!と言わんばかりの素晴らしさでしたが(オサムちゃんブログ→http://image.blog.livedoor.jp/syuji_hayashi_blog/imgs/7/b/7bf17c80.jpg 参照)、正直台詞はほとんど何言ってるか聞き分けられませんでした・・・。リーフみて「大食の悪魔」だと初めて知ったぐらいだもんw。そういや常に手になんか持ってたような気はするけど・・・。
ルイルイは誠治郎くんロミオの可愛い弟分役で、サンバイザーを頭に乗せて袴の片足を膝まで捲り上げるといういつものルイルイスタイル(笑)。思わずお友達に写真押し付けちゃったほど可愛かったわー。で、あっちゃんは対立するキャプレット家の人間なんだけど、これまたリーフで知ったけど「キャプレット家の青年」役だったんですって。いや、キャプレット家の人間であることは明らかだったんだけど、わたしはてっきり役名こそティボルトだけどキャプレット家の「長男」だと思ってたんだよね。いわばロミオ誠次郎くんの幼馴染でありライバル的な。でもそうだとしたら「青年」ではなく「長男」とか「息子」って書くよな、普通・・・。現代のジュリエットはキャプレット家に“買われた”という設定なので、つまりあっちゃんとは血の繋がりはないわけですよ。だからあっちゃんはジュリエットのことを愛してて、でも家を継ぐべき長男だから“買われてきた娘”を妻にすることはできないからと想いをグッと押し殺し、いがみ合いながらも実はイイ男だと認めているロミオならばジュリエットを託せる・・・と二人の逃避行に手を貸した切なくもカッコいい男だと思ってたわけです。あれ?もしかして違うのかな?^^。
ていうかわたしですね・・・・・・・・・途中で一瞬意識飛んじゃったんですよね・・・・・・・・・。決してつまらなかったからじゃないんだけど(むしろこれまでのルドビコ舞台では一番面白かったというか普通に見れた)、別の舞台と日程がモロ被りだったのでいろいろとね・・・。だからハッ!?と気づいたらルイルイが目玉取られて悶えてるシーンで心底びっくりしました^^。え!?わたしが意識飛ばしてる間、ルイルイに何があったの!?!?って・・・・・・・・・。だからあっちゃんの設定についても劇中で何か語られたりしてたかもしれません・・・・・・・・・・・・。
でもでも前半にモンタギュー家(そういや作中で「モンタギュー家」って表現あったっけ?)とキャプレット家がギャーギャーやりあう場面でルイルイ対あっちゃんという分かりすぎてる場面はちゃんと見たもん!!ある意味俺的にはそこがクライマックスだもん!!(負け惜しみ)。


そんな感じでした。
誠治郎くんとるいるいはこの舞台と並行して別の舞台の稽古もやってたんだよなぁ(abcめちゃめちゃ楽しみ!)。二人とも身体能力は抜群だし集客力もそれなりにはあるだろうから使い勝手はいいんだろうけど、この二人に限らずこのところ連続して舞台に出まくってる若手俳優って結構いるじゃないですか。それは別に悪いことではないとは思うんだけど、表現は悪いけどあまりにも『同じ程度』での活動が続いてるように思えて、役者としての鮮度というか新鮮味というか、そういうものをなくしてしまう結果にならなければいいけどなぁとちょっとだけ思ったりします。そんな苛酷な状況でありながらも誠治郎くんもるいるいも、それから麗羅も全力でキラキラしてたしそのための稽古やなんかの努力をしてるってのは伝わりすぎるほど伝わってくるので尚更。