津原 泰水『たまさか人形堂物語』

たまさか人形堂物語

たまさか人形堂物語

はぁーっいつもながら上手いなぁ。語り口も展開も人物描写も全部好きだわ。ついでに(ついでって失礼だけど)装丁も可愛くて好き。
多少なりとも謎を秘めてたり風変わりな人物ばかりですが、設定は地味だし驚くような展開があるわけでもなく淡々とというかドライな感じで進むのですが、扱ってるのが「人形」だからそこはかとなく情念というか湿った感じもありつつ、そして最後はおとぎ話のようでいて、でも拍子抜けしてちょっと苦笑しちゃうような着地を見せてくれるので、なんだか見た目が綺麗でほろ甘い和菓子を食べたような読後感でした。ほっこりです。