『SAMURAI7』@新宿コマ劇場

千秋楽から数日経ったいまでも未だ興奮冷めやらずって感じです。ほんと面白かった。7人のお侍さんもキララもコマチもリキチもヒョーゴもテッサイもウキョウ様もアンサンブルの人達もみんな大好き。最終的に隅から隅まで全部大好きな舞台になりました。ほんとーーーーーーに満足です。でも欲を言えばもっともっと見たかった。最終的に何公演見たか申告するのは控えますが、絶対にまだまだ進化したと思うのでもっと見続けたかったってのが今の気持ちです。とは言え、多分やってる側も観客(わたし)もできる限りは燃焼しきったと思うので、悔いは残ってません!。
実はですね、初日のちょい前ぐらいからわたしの元にもあっちこっちから頻繁に招待の話が来まして、実際初日は半分ぐらい招待だったんじゃないかと思うほどそれらしき人ばっかりだったのです。その時点で公演数の半分程度のチケットを定価で揃えてたわたしにしてみりゃそりゃあ面白くなかったわけですよ。その後もちょいちょい招待話をいただいたものの回を重ねるごとにチケット代という形で少しでもこの舞台の役に立ててることが嬉しく思えてきて、むしろもうちょいチケ代取ってもよかったんじゃないかってかもっとお金払ってあげたいとすら思えてきて、なんかちょっと自分でもビックリでしたw。9月に見た某舞台も招待が多かったのですが、あっちはその状況が不快というか客の半分以上がタダで入ってるってのにクソ高い金払って見てる自分が腹立たしかったんだけど、こっちは逆にそんな自分を褒めてやりたい気分。招待で入ることもたまにあるのですが、やっぱりどこか遠慮するというか、楽しむのも批判するのも思いっきり!ってわけにはいかないわけ。貧乏性だからwやっぱちゃんと代金払って見るのが基本だと思うし、金払ってるからこそ「客」なんよね。まぁそれはわたしの考えであってどんな形であれ客席に座った時点で客は客だって意見もあるでしょうが。お金の話ってあんまり気分よくないしいつもはよっぽど酷くない限り代金のことが頭をよぎったりはしないのですが、今回はコスパに優れてる舞台だなぁと強く思ったので、わたしが貢いだ(笑)お金がほんの僅かでも再演を検討する足しになるといいなと願いながら思い出の一つとして記しておこうと思いました。
でも日に日に会場がどんどん埋まっていくのは嬉しかったなぁ。ほんと自分のことのように嬉しかったw。


先日書いた簡易感想の中でも書きましたが、かなりスピーディな舞台でした。原作ってアニメだと24話ぐらいあるらしいので多分全部をやったわけではないのでしょうが、とてもよくまとまってたと思う。あらすじは、『野伏せり』というかつての戦場で活躍していた機械化された侍(キクチヨみたく元は人間だったの?)に蹂躙され続けることに困っていた『カンナ村』は対抗策として侍を雇うことを決めた。報酬はお腹いっぱい米を食わせること。村人の代表として戦場で生きる侍を見分けられる『みくまりの巫女』キララとその妹のコマチ、そして妻を野伏せりに攫われたリキチの三人が侍をスカウトに向かう。紆余曲折の末にようやく集まった7人の侍はキララたちとともに村へ向かい、村人達と力を合わせて野伏せりの本体を撃破。だが真の敵はその背後にいたかつてウキョウと呼ばれた天主だった。キララに固執する天主はキララを拉致。キララを愛するカツシロウもまた天主の元へと走る。キララの救出、そして天主=都を倒すため、侍たちは最後の戦いに向かう。とまぁそんな感じです。
わたしが見た中でもしかしたら一番効果的に使ってたといえるかもしれないぐらいコマの特性を上手く活かしてて、廻り盆に作ったセットをある時は高台に、ある時は列車に、ある時は牢獄にとぐるんぐるん廻しまくってセットチェンジの間を省き、大道具をなるべく使わず袖から舞台へ出る通路も含めて舞台を出来る限り広く使って縦横無尽に侍や野伏せりや村人たちが駆け巡れるようにする演出はほんとによかったと思う。この演出家のこと実は褒めたくないんだけどw、これは認めざるを得ないわ。まー予算の都合やら時間の都合やら裏事情が上手い方向に転がったって感じっぽいけどw。
そんな舞台の上をメインキャストとアンサンブルがほんっとに駆け回っててね、特にアンサンブルさんはすごかった!20人ぐらいと人数としては結構いたんで迫力は文句なしだし、村人になったり野伏せりになったりウキョウの部下になったりふんどしいっちょで踊ったりwとほんと大車輪の働きでした。前列ドセンターで見た時とかアンサンブルさんたちに感動して本気で泣きそうになったしね、心からお疲れさまでした!!と言いたいです。
そんな敵たちと戦う7人の侍たちにはそれぞれ見せ場が与えられていて、乱戦のシーンは1人ずつ大量の敵に囲まれた状態でびしびし斬りまくりカッコイイ決め台詞を言うわけですよ!!ちょう燃える!!!「ここは俺に任せてお前達は先に行け!」「(俺はこっちだ)ついて来い!」と言いながら入れ替わるのもまじダッシュだし、見ていて気持ちよかったなぁ。殺陣そのものの内容というか質としては多分そんなに高くないんだと思う。でもメインキャストもアンサンブルも全員が常に全力投球常に本気! SAMURAI7なんだから殺陣シーンがカッコよくなきゃ意味ないじゃん!って感じでね、とにかくカッコよかった。思い出すとまだ震えるわ。

あ、そうだ。キクチヨが空中要塞(劇中では『都』という設定)の航路を変えようとしてる間、カンベエとシチロージは何をしてるんだろう?と書きましたが、よくよく見たらなぜか入った起爆スイッチを止めるために奮闘してるようでした。いっぱい見たのに曖昧な表現しかできないのはやっぱりよく分からないからw。ていうかね、空中要塞が村に墜落したら村が全滅するのは分かるんだけど、起爆装置によって自爆したら“世界が無くなる(破滅する)”ってのが謎なんだよねw。都を支配するウキョウ様が天主の正統な複製であるという証明が出来た後で地球を見下ろしながら演説する場面があるんだけど、空中要塞の大きさがどれほどのものなのかなぁ?と。都が爆発したら世界(地球)が滅びるというぐらいだから結構なデカさなんじゃないかと思うのだけど、だとしたら村一つ潰れるぐらいじゃすまないだろうし、日本潰れるぐらいの勢いなんじゃないのかと思ったわけですw。でね、カンベエとシチロージがそんな都の自爆を止めるために何をしたかと言うと、(多分)起爆装置に刀突き刺しただけだったのよね・・・・・・それで止まるんだ(笑)。キクチヨが航路を変えたことでカンナ村は守られたが、キクチヨは死に、カンベエとシチロージは五体満足で生き残ったってのも最後まで理解というか納得いかなかったしなぁ。せめてユキノ姐さんが待ってるシチロージだけ生き残りカンベエは死に、シチロージはカンベエの言葉とともにその刀をカツシロウに手渡す。カツシロウは先生の分も侍として生きていきます!ってほうが美学を感じられたように思うのだけど・・・。多分原作通りなのだろうから原作を見るか読むかして補完しようと思います。


アドリブや前楽・千秋楽のプチメモを挟みつつ、各キャストの感想を。
まずは主役のカンベエ・加藤雅也さん。感想としては “加藤雅也男前!!!!!”もうそれしかないです。舞台に立つのは初めてなのかなぁ?多分時代劇は初めてだと思うのですが、なんていうか、威厳があった。存在感と言い換えてもいいかも。カンベエの殺陣は手数が多いわけでもスピードがあるわけでもキレがあるわけでもないと思うのですが、一刀の重みがあると思った。若くはない設定だけに体力の問題もあるんだろうけど無駄な動きが少ない。股を大きく広げてビシッビシッと敵を斬っていくその様は決して美しいとは言えないのだけど、負け戦ばかりとは言え歴戦の強者って感じがしたわー。そして男前w。最前にも一回座ったのですが、思わずポーーッとなったもんw。
そんなカンベエ様は楽で自分への声援よりもヒョーゴへの声援の方が大きかったことにスネられてwww、キクチヨの「カンベエさんが拗ねちゃってるんでもう一回やり直してあげてもらえますか?」って振りで再度「カンベエ」コールをいたしましたw。確かにヒョーゴへの声援のがでかかったもんねw。その点をキクチヨに「敵の方が声援もらうとかおかしいだろう!」と突っ込まれたヒョーゴは「前説効果だ」とw。俺も前説やりたかったと愚図るキクチヨに「前説がどれだけ大変かしらないだろう!」と本気で言い返してたわw。
話をカンベエ様に戻します。あと日曜の前楽公演でカツシロウが最後のものっそいいいシーンでおもいっきり噛んでw、シチロージがカンベエ様に「あいつ噛みましたね」とサラっと言ったのがツボったらしく、思わず顔をちょっとそむけて笑いを堪えてらっしゃいましたw。


HGではなく住谷正樹としての参加だったキクチヨさんは、これがなかなか良くて嬉しい驚きでした。元は百姓で機械の身体を手に入れ今は侍として生きてるという設定なのですが、かなり熱い男でね、とりあえずいいセリフはことごとくキクチヨが言ってたぐらいの印象でした。おまけに子供に好かれる役柄で少女(コマチ)と絡むんだけど、これがズルイのよー。可憐な少女と大きくて無骨な機械侍との淡い恋愛とか卑怯でしょ。コマチの目の前で都の外殻に取り付いて必死で向きを変えようとするのがキクチヨのラストシーンなのですが、これまで自分は侍だといい続けてきたキクチヨが初めて「百姓に戻りてえなぁ・・・」って本音を吐露するわけですよ。生きていくためにそうせざるを得なかったのだろうけど、その叫びを聞いた瞬間、女房の心を天主に奪われた恨みを晴らすために機械の身体になろうとしたリキチに言った言葉が甦って、毎回涙目になったわ・・・。キクチヨだけでなく全員がすごい熱演だった楽にはついにボロ泣きしたし・・・。セリフ回しや声のトーンなんかはそれこそ広樹(ゴロベエ)あたりと比べると一本調子だったんだけど、それがかえってキクチヨの無骨さを表してるようで、ほんと悪くなかったです。


きださんのヘイハチは演技が落ち着いてました。毎公演安定してた。脚本家や演出家としてのきださんには若干思うところがあるのですが、ヘイハチとしてのきださんには文句なしです。ていうかね、聞いた話によるときださんの原作愛は半端ないらしく原作をさほど知らないわたしでさえもブログを読んで感動しまくったぐらいなのですが、役やこの物語に対する想いが一番伝わってきたのがヘイハチでした。先日の感想でも書いたように展開がものすごく速いので7人の侍の掘り下げが充分できたとはとてもとても言い切れず、ヘイハチもその例に漏れずなのですが、それでも見えるというかね、言葉のひとつひとつが経験から出てるものだってのが伝わってきた。特に主艦(この字でいいのかな?)を切り離すという役目を果たし、敵の元へと走った若き侍(カツシロウ)に人を斬る覚悟がどういうものなのか、信頼を裏切ることがどれほど醜いことなのかということを諭す最期の場面の説得力が違った。叫ぶのではなく、あえて淡々と説く姿が潔くてカッコよかった(きださんなのにw)。


ゴロベエ役の高橋広樹さんには全力で土下座します!スライディング土下座いたします!!広樹うめえええええええええええええええええええええ!!!!!そしてイッケメーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!あのねぇ、この人この舞台で一番上手かったわw。“自分に一太刀でも浴びせられたらこの金をやろう、ただし1人一刀”という『命売ります』大道芸で生計を立てていて、口を開けば駄洒落というよりオヤジギャグ・・・というつかみどころがなくて飄々としてる役なのですが、それを軽やかに演じてました。でも爽やかではないのw。むしろうざったいw。そこいらへんは広樹クオリティなのだと思う。でもそれは悪い意味ではなくて、この役ってもしかしたら7人の中で一番難しいと思うのね。連発するギャグはともすれば寒いどころか痛々しくなってしまうようなものだし、もしそうなってしまったら前半の山場であるゴロベエの最期の言葉、「ふとんがふっとんだ」の印象が全く違うものになってしまうわけで、大袈裟でなく舞台の勢いがそがれる結果になってしまったと思う。それを失笑wという形で暖かいものにしたのは広樹の持つ雰囲気であったり上手さゆえのことだったと思う。なんかねー、どんだけくだらないってかつまらないギャグを言ってもそれが広樹だと思うとつまんねー(笑)って言いながらも笑えるんだよね。脚本の違いはあるけどこの舞台の演出家の一つ前の舞台でのギャグがぜんっぜん笑えなかったことを思うといかに広樹が素晴らしいかを実感したわ。あと後述しますが楽の挨拶がすごかったの!!声優さんってほんとにすごいね!
あ、思い出した。21日の公演だったと思うのですが、ラストの超見せ場でカンベエさんに向かって「ゴロベエどのは生きてください!!」って言っちゃってたわw。ゴロベエはあんただっつのw。
そして土曜のマチネで座った席がスーパー広樹オタゾーンだったらしく、ゴロベエさんの最期での号泣はそれはそれはすごかったです・・・w。


カツシロウ役の篠谷聖くんはこの舞台で一番成長したと思いました。最初の2.3回目までは刀に身体が持ってかれまくってたんだけど、最終的にすごく上達したと思った。殺陣だけでなく、カツシロウという少年はキララとともにこの舞台の語り部的な存在なのね。自分が侍だというつもりではいるんだけど実際に人を斬ったことはなく、好きな女(キララ)を守るために初めて野伏せりとはいえ人を斬り動揺し、師と仰ぐカンベエに一喝されて侍としての心構えを新たにする。でもやっぱり弱いというか精神面が幼いから状況判断というか押すべきところと引くべきところの判断が出来ず、キララを連れ去る敵に対して一見消極的な態度を示すカンベエに失望し、敵の甘言に乗せられ寝返ってしまう。都を倒しにやってきたかつての仲間にたいし刀を向けるカツシロウだが、目の前で死んでいく仲間たちが自分に何かを教えようと託そうとしてくれたことで、真の侍はどちらであるか、自分の敵はどちらであるかを再確認する。・・・とまぁ立場が二転三転する役だってのもあるし、人を斬ったことがなかった少年が1人の侍として成長する様も2時間程度の時間で表現しなければならないわけです。すごく頑張ってたと思う。初回は緊張してたせいかもう見てられないってぐらい何もかもがガッチガチでこれ大丈夫なんかな・・・って本気で心配になったのですが、最終的には特に人を斬ってからの顔つきがすごくよくなったと思う。殺陣も実際の速さは変わってないのかもしれないんだけど流れがよくなったせいかスピード1.5倍増しぐらいに見えたしね。
ただしセリフ回しというか滑舌はいかんともしがたく・・・・・・w。カンベエさんの感想で書いたように前楽で盛大にトチってシチロージにいじられ、楽ではキララへ「私があなたを守ります!・・・私ではダメですか?」と告白するシーンでキララに思いっきり「噛みまくりですよ」とバッサリ言われる始末wwwww。楽は前から2列目の上手だったんでこの場面わたしの目の前だったのですが、思わず「ちょwwwww」って言っちゃったぐらいバッサリだったわw。でも聖は負けませんでした。その後に襲ってきた野伏せりと侍たちが順番に舞台上で1人ずつ戦うという見せ場が続くのですが、そこで通常であれば「私は、侍だ!!」と言い切るところを「私は・・・噛まない!!」って宣言して大拍手貰ってたwww。そ れ な の に 昨日も噛んだところでまたもや噛みやがったwwwww。その瞬間会場中の人が「噛んでるしwwwww」って思ったと思うわw。でもこれだけの規模の舞台でメインを張り殺陣を経験するってことはそうそう出来ないことだと思うんで、聖にとってはほんとにいい経験になったと思う。こういうキリっとして真っ直ぐな役は結構似合うんじゃないかな。


ヒョーゴ役の森山栄治さんはこの舞台のMVPと言っても過言ではありません!!一幕前と二幕前で2度の前説を担当し、劇中ではものっそいカッコイイ敵として大活躍されてました。前から栄治さんのこと好きだけど、一層好きになったわ。てかヒョーゴがカッコよすぎる!!!!!再現度は文句ナシだし、常にポケットに両手を突っ込んで肩で風切るようにして部下に命令を下す姿がたまりません><おまけに刀振るわせたら誰よりもキレキレなんだぜ!!さすが恋次なんだぜ!!。あとね、一番好きだった場面ってか動きは村の女(サナエ)を助けにカンベエとキララが天主の前までやってきた場面で部下に「貸せ」と言って取り上げた長い棒を肩の上で担ぐお姿でした。首の後ろに棒があって両手を広げて棒に乗せるポーズなんだけど、どチンピラって感じでめちゃめちゃカッコイイのおおおおお!うあー上手く表現できないのがもどかしいいいいいっ。
前節ではまず「ヒョーゴ役の森山栄治です。*pnish*の森山栄治です。7人の侍に入れなかった、森山栄治です」から始まってw、「始まって10分ぐらいのところでカンベエ、カツシロウ、キクチヨが名乗りを上げるのでそこで思う存分キャラ名を叫んでくださいと。但しタイミングがとても難しく、言いたくなったら即叫ばないと次の人が名乗っちゃうから気をつけてください」的なことを言ってたのね。時々「わかんなかったら名乗ってる人じゃなくても好きなキャラ名を叫んじゃっていいです」とか「いっそ雅也〜!でもいいです」とか言ってたけどw。で、確か土曜日公演からだったと思うのですが、「三人以外の名前を呼べる場所がないです。そこで私は見つけました!全員の名前を叫べる場所を!!前半に『7人の侍だ!』と言って全員が舞台上に勢ぞろいする場面があるんで、そこで叫んじゃってください。もう思う存分叫んじゃってください」と変更されましたw。多分アンケで他の人の名前も呼びたいって声が多かったんだと思うわ。栄治さんってばものっそい誇らしげに「見つけました!」って言ってたものw。
2幕の前説では「御、天主様!」の声とともに万歳三唱wと、ウキョウ様の演説後に「ウキョウ様〜〜〜!」と叫ぶことを要求されるのですがw、練習してみましょうということで栄治さんがウキョウ様のセリフを言うのね。「みんな、それでいいかい?」的なセリフだったと思うんだけど、その声がすっごいセクシーなの><天主様となったウキョウ様の真似をしてるんだけど、これはウキョウ様よりカッコいいわw。そんで「森山栄治がヒョーゴに変身したら2幕のスタートです!」つって変身ポーズ決めてwwwくるっと1回転してヒョーゴモードになったところで2幕が始まるんだけど、一瞬で悪人顔になっててね、ここは毎回心底感心してました。栄治さんいい役者さんだよなぁ。


ウキョウ様→天主様役の山崎銀之丞さんはなんていうか・・・さすがって感じ(笑)。ウキョウ様っていわゆる「若君」なわけでさすがに歳取りすぎだろう・・・と思ったもんですが(だって遠藤先生のイメージがw)、キャラをねじ伏せたってか押し切り勝ちって感じだったわ。笑いの場面も癇癪起こす場面も嘆きの場面も全て惹きつけられた。特にキララにも拒絶されて絶望する場面はウキョウ(天主)が銀之丞さんでよかったと心底思いました。この哀愁はそれこそそこいらのイケメン俳優には出せないもの。きださんとともに舞台をビシっと締めてくれたのはウキョウ様の存在だったと思います。
テッサイ役の藤榮史哉さんも一切ぶれることなく悪人っぷりを貫いてくれてカッコよかったし(藤榮さんはこの舞台の殺陣師としての顔もあったらしいですね!)、舞台に限らずいい作品の条件のひとつは敵サイドが魅力的であるってことが挙げられると思うのですが、この作品にもそれがバッチリ当て嵌まったと思う。


キララは初回見た時にちょっと叫び声が耳障りだなぁ・・・と思ったのですが、わりとすぐ慣れましたw。百姓なのに運命に逆らって戦おうとするその心根に執着したウキョウ様に狙われるという設定なので、ほぼ出ずっぱりだけに特に喉が最後までもつだろうかと心配してましたが、そんなに枯れることなく最後まで乗り切ったのはすごいなと思ったわ。華奢な身体につるんとした顔の子で、色気みたいなものは全く感じられなかったんだけど、そこが巫女っぽかった反面カンベエ様への思慕はさほど伝わってこなかったかなぁ。てかさすがに雅也カンベエと歳の差がありすぎて、墜落中の都からカツシロウとともに逃げろといわれて「いやです!私はカンベエ様とともに居たいです!」と縋る場面が父と娘に見えたものw。逆にカツシロウとの絡みはちょっとぎこちなくてそこが甘酸っぱくてなかなか良かったです。
コマチは姉妹でダブルキャストだったのですが、お姉ちゃんのほうがセリフ聞こえがよくて、妹のほうがキクチヨとのシルエットが萌えたかな。冒頭の場面で落ち武者がコマチを人質にする場面があるのですが、お姉ちゃんのほうは必死で抱き上げてる感じだったしねw。あと妹の子は前楽で挨拶したんだけどそれがすんごい可愛かった。小っちゃい女の子なんて興味の対象外どころか宇宙レベルで関係ない存在なんだけど、これはちょっとホッコリしたわ。SAMURAI7愛w。


お目当てキャストの感想の前に、お目当てキャストが絡まなかった楽のアドリブレポを。
ウキョウに拉致られたキララが目を覚ますとウキョウが「シャネルさんとルイヴィトンさん」のバックを持ってるシーンで、ウキョウガールの1人がフィリピン人みたいなカタコト喋りをして、ウキョウが「実家に帰れ!!」と言ってましたw。
あとこれはちょっと本気で引いたんだけど、裏切り者のマンゾウさんは前夜野伏せりさんとキャバクラに連れ立っていったそうなのですが、「電車なくなるから帰るっつってんのに『だ〜いじょぶっすよ!だ〜いじょぶっす!』って引きとめるから終電逃して、それなのにコイツ(マンゾウ)は見に来てたダンサー仲間の“男の子”とラブホ行きやがった!そのせいで俺は満喫に泊まる羽目になった!」とか言ってたわ・・・。男の子の部分はわたしの聞き間違いだと思いたいんだけどでも男の子って聞こえたんだよなぁ・・・・・・・・・娘役の女の人にも全力で「最低!裏切りもの!!シネ!!」って言われてたしw(シネまでは言ってなかったかもだけど)。まぁ女の子だとしても穢らわしいっ><だけどねw。


というわけで、ようやくお目当てキャストについての感想ですw。ここまで書くのに実は3日かかってますw。
まずはシチロージ役の載寧ですよ。やばい。この載寧まじやばい。まじパない。超絶素敵。わたしの中では載寧最高傑作です!!。まずビジュアルが最高。海賊巻きしたシャンパンピンクのバンダナの襟足から肩下ラインの長い髪をサラサラなびかせピンクのロングシャツをひらひらはためかせてる時点でヤバイんだけど、胸元が!胸元がVネーーーーーーーーック!!!Vネックから見える細い男の華奢な胸元に美しい鎖骨が好物な人?はいはいはーーーーーい!って両手どころか両足上げる勢いなわたしにとってはいよっしゃああああああああああ!と雄叫び上げるレベルなのよおおおおおお><。でねでね、その胸元が二幕後半あたりになると汗でぬらぬらしてるわけ!エエエエエエッローーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー><><><。ビジュアルだけでもエロイのに、ヒモ!女郎のヒモ!!ありえん!!!!!てかユキノ姐さんよりもシチロージさんのが美形すぎて笑うしかなかったわよもうw。ヒモって女よりも年上なイメージなんだけど、シチロージさんの場合はどう見ても年下、それも結構歳の離れた若い男に見えちゃうからヒモってよりもツバメっぽい感じすらしたわ。でもこれ3回目の観劇でようやく真正面から見れた時に気がついたんだけど、都の中で野伏せりと戦う最後にして最大の見せ場のところでユキノさんもシチロージと共に同じ動きをして共に戦ってたのね!遠く離れていても心は繋がっていたのね!!ここはすごく良かった。
そんな載寧シチロージはカンベエの“古女房”なので基本カンベエ雅也さんの横に控えることが多かったのですが、これも簡易感想で書きましたが剛と柔って感じですごくバランスよく見えた。カンベエ様から自分と共に再び戦場に行かないかという誘いを受け、槍を右手でくるっと回して床と並行に持ち、片膝ついて「お供します」って言うのには毎回お漏らしでした。しかもこれ2回あんのよwもうビチャビチャよw。シチロージさんはでしゃばるタイプではなく一歩引いて冷静に状況を見極めるタイプで、色町で暮らしてるだけあって口調が柔らかいのもモエスだったわー。でも一番好きなセリフは「承知!」だったんだけどw。そんで長槍使いだから常に槍を持っててね、誰かが話しをするのをその槍にもたれかかって聞く姿がものっそい素敵なのー。蛍屋(ユキノ姐さんの職場)でキクチヨが盗んだ家系図広げて自分の出自を明らかにしようとして、ゴロベエにデタラメを指摘されみんなにからかわれるという場面があるのですが、そこでもシチロージさんは一番後方にいて、長棒にもたれかかりながらすごい柔らかくて穏やかで、それでいてちょっと悪戯っぽい笑みを浮かべながら楽しそうに見てるのね!それがまじキャワ!めちゃめちゃよかった!!。
槍の使いっぷりもカッコよかったわあ。最初の何回かは動きをビシっととめなきゃならないところで勢い余ってふらつく場面も見受けられたんだけど、ラストの3公演あたりはすごく上達してた。多分載寧の身長を考慮したってか身長との見た目バランスを考えてのことだと思ったのですが、ほんとに長い槍でね、それをぶんぶん振り回すわけですよ。でも豪快ってのとはちょっと違ってまさに“しなやか”って感じなのよね。上記の通りのビジュアルだから槍とともにくるくる回るたびにピンクのシャツやバンダナや髪がはためいて、ガウチキュウゾウの殺陣とはまた違う美しさだったわ。キララが天主を斬るクライマックスの場面では生き残った4人がスポットの中で動きを止めてるのですが、その時のシチロージが槍を床に垂直に立てて足をかなり広げ片膝ついてうつむいてるポーズなんだけど、それがまたカッコよかったんだわ。このシチロージフォトブックに入れてくれないかなー(毎回アンケに書いておいたわw)。
あと秘かに毎回悶えてたのが♪ここは〜よい〜と〜こ〜いちど〜は〜お〜いで さけは〜うま〜い〜し あねさんは きれい♪(歌詞曖昧wだって毎回溶けてたからw)って歌うところです。もちろん口パクだけど。なんかここすごい色気がダダ漏れしてたの。やばい、わたしの中で載寧株が急上昇しすぎてるwこのパターンは非常にやばいわw。
シチロージは登場シーンで長い棒持ってのダンスと「さぁさぁみなさん、ここは色町〜」みたいな口上を披露するのですが、千秋楽では「今宵は千秋楽です!皆様どうか盛大な拍手を!!」といいながら両手をバーッと広げたのね。そこめちゃめちゃ素敵でカッコよかったー。前日のカツシロウネタもそうだし以前に見た舞台も結構そうだったし、載寧って結構アドリブセンスあるんだな。


そしてそして本来のお目当てです。なかがうちキュウゾウさんです。幕が上がったらオスカルヅラじゃなかったことで思いのほかガッカリしてしまった自分にビックリなのですがw、カッコよかったです。なんだかんだいってやっぱり格好いいわこの男!そしてやはり華がある!!原作オタから見てどうなんだろう?ということが気になって仕方なかったので寝る間を惜しんで感想を漁ったのですが、概ね好印象だったので心底ホッといたしました。つーかわたしが読んだ限りではほぼ全員がキュウゾウの走りっぷりが原作通りで凄かった!って書いてくれていたのがめちゃめちゃ嬉しかったわ。原作チラ見なもんでキュウゾウの走り方といわれてもピンとこないのですが、刀を両手に構えながら重心をめちゃめちゃ低くして上下には一切動かず足だけが高速回転してシュタタタタターッて走る感じなの。てかまじ速えええええええw。このダッシュがね、舞台の構造になれたんだか徐々にテンション上がったせいかわからないけど日に日に速くなんのよwww最前で見た時とか見てるわたしの前髪がワッサーってなるぐらいだったもん、まじでw。
前半はいまいち噛み合ってなかった殺陣も後半ぐんぐんとよくなってて、やっぱ殺陣は回数こなしてこそだよなと。これに関してはまともに練習時間取らなかったクソ事務所に問題があるからガウチオタとしてなんとも言えないところだし、殺陣ってのは相手がいてこそってのを分かった上で、ガウチの吸収力さすがだなと言わせてください。キュウゾウは普通にセリフ言う場面がほんの何箇所かしかなくて、ほとんど殺陣しながらセリフを言うのですが、動き(殺陣)に多少なりとも慣れて余裕ができたせいかなぁ?セリフまわしも前半と後半じゃ見違える出来でした。まぁクソ熱血なのは賛否両論でしょうがw、わたしは最終的にアリだなってとこに落ち着きましたw。特に楽はほんとよくて、一幕でカンベエと一対一で刀を合わせる場面はついに(というかようやくというか・・・)全てがビシっと決まった感じがしたし、二幕の最期は栄治さんのヒョーゴと戦う場面からすごい気迫で、もう“鬼気迫る渾身の死に様”だった。鳥肌立ったもん。ガウチに関してだけはもっとできるもっとできると思いながら見てたんで、この瞬間なにかが報われた気がしました。ほんっとすごかった。
キュウゾウさんの殺陣は舞うような感じと簡易感想で書きましたが、毎回毎回両手に刀握って華麗に2回転決めるのはさすが!回転だけでなく、止めるべきところはすべてビシっと動きを止められるのはさすがだなと思ったわ。“魅せる”動きが身体に染み付いてるんだと思う。殺陣師の藤榮さんにはこんな素敵なガウチを与えてくれてありがとうございます!といくらお礼を言っても足りません。
キュウゾウさんで一番好きな場面は都へ乗り込んだカンベエさんたちの前に現れたカツシロウを見て「小僧っ!」と叫ぶシーンです。「こぞう」の言い方がなんかたまらんかったの><ここ毎回のハァハァポイントでしたw。
魂は熱血だけど基本は笑顔一つ見せることのない超絶クールなキュウゾウさんだけに、ガウチいろいろ溜まってるんじゃないかな・・・と思ってたら、やっぱり楽でやらかしてくれましたw。キクチヨが侍を3人連れてきて「お前の力を見せてみろ」ってことで刀を鞘から抜こうとすると一人目は刀が長すぎて二人目は短すぎて三人目は中途半端な長さで、お前らもう帰っていいよ・・・ってな場面があるのですが、いつものように三人目を終えたところでキクチヨが「今日は特別にもう一人呼んである」と言い出して、袖から出てきたのは上下オレンジジャージのキュウゾウさんw。ジャージの上着は完璧にズボンインw。しかも背中に亀の字www。キュウゾウ衣装の赤い上着を脱いだだけでジャージの下は黒衣装のままだったようで異様にもこもこ(しかも足短く見えたw)。キクチヨに「お前キャラ的にそれ大丈夫なのか?」と本気で心配されてるしwww。ガウチはコックリ頷いて「・・・・・・・・多分」とw。そして緊張してるんだかなんなのか、ドラえもん状態で握った両手がプルップル震えてんだけどwwwww。何するのかと思ったらカメハメ派をぶちかまし、すっきりした顔で創さん(刀が中途半端な三人目)の隣に並び、「ちっくしょー!覚えてやがれっ!」って可愛い顔して言ったとこまではよかったんだけど、その後で非常口みたいなポーズ取って軽くジャンプしてからダッシュではける時におもきしツルって滑ってるしwwwwwwwwwここまで超絶カッコイイキュウゾウさん見せといて最後の最後でコレとかするズルすぎるw。


千秋楽では主要キャストから一言ずつ挨拶がありました。仕切りは栄治さんw。一列に並んだ侍さんたちの名前を呼ぶ黄色い声がものすごかったんだけど、シチロージとキュウゾウへの声援が多いのはまぁ当然として、ウキョウ様を呼ぶ声がすごかったですw。
SAMURAI7チームの若い方からってことで最初に挨拶したのはカツシロウ役の聖。
「本日は、ご来場いただき誠にありがとうございます」って言った後、「緊張してます・・・・・・あーどうしようっどうしようっっ」って言いながらその場でジタバタ足踏みし始めた聖かわいいいいいいいいいいいん。頭真っ白になっちゃったんだろうねぇw。結局さんざんジタバタした挙句「本日はありがとうございましたっ」しか言えなかったしw。そしてそんな聖をニヤニヤ見守るガウチ&載寧w。
次はガウチ
「では、手短に。コマ劇場という素晴らしい舞台に立てて光栄でした。ありがとうございました」
カコヨス!!!!!!!!!
載寧は
「本日は沢山の方においでいただき、ありがとうございました」と言い、続けて「是非!再演をやりたいと思ってるんで、そのためには皆さん1人1人が出来ることをやってください!」と!!!!!!!!!
その言い方が全然嫌味とかじゃなくて、なんか観客も仲間って感じでこう一緒に再演目指そうぜ!!みたいな感じで言ってくれて、またもや載寧ハァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン☆ってなったし!なにこの男ほんとにカッコいいんだけど!!!
HGは「今回初めてHGではなく住谷として舞台に上がらせてもらって、貴重な経験ができました。また機会があれば舞台に上がりたいなと思います。・・・SAMURAI フォー!!」とw。
「フォー!」久々に見たらなんかテンション上がっちゃったんだけどw、ガウチの口が「フォー!フォー!!」って言ってたのは見逃さなかったわw。もうっ・・・馬鹿っ><
広樹の挨拶はほんっっっっとに凄かった!!最初普通に広樹の地声で「無事千秋楽を迎えられまして・・・」って喋り始めたら客席のあちらこちらから失笑が起こってw、「なんで笑うの?」って言った後いきなりゴロベエスイッチ入れて切り替えて、ゴロベエ声でゴロベエとして完璧に挨拶したのよ!!!声優さんだからそこいらへんはまぁお手の物っちゃそうなのかもだけど、そもそもゴロベエとしてここまでキッチリ声を作ってただなんて思ってないからさ(広樹の地声とかそんな知らんしw)、客席がどよめいてたわ!。そんで
「毎日言い続けたオヤジギャグの中でお気に召したものがございましたら、『引用していーんよ』」
と最後までカンッペキなるゴロベエさんだったの。これものっそい感動した。なんかすげえ!って、この人すげえ!!って思ったわ。最後にもう一回言っておきます。散々けなしてすいませんでしたw。
きださんは「今年で僕40なんですけど、(客席から「見えない!」と驚きの声が)見えないでしょう?でも40なんですよ。こんなオッサンがヘイハチですいませんでした!」
キララはボロ泣きしながら「こんな素敵なキャストやスタッフさんのお陰でなんとか最後までやり遂げることができました」と。可愛かった。
ウキョウ様は「これでようやく仮面を脱いで素顔で素直に生きていきます」とw。
そして座長、加藤さんはまず
「20人ぐらいで野伏せりや村人やウキョウの手下(“てした”ではなく“てか”って言ったんだけど、時代劇用語?)としてなど表でも裏でも走り回ってくれたアンサンブルのみんなに拍手を!」
と!!さすが座長!ってこの時点で既にカコヨスなんだけど、続けて「スポンサーとして付いてくださったフィールズ株式会社に感謝いたします」と言った後
「チームSAMURAI7は再演を熱望してます!再演でお会いしましょう!」
と力強く宣言!!雅也カッコよすぎるっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!こんな魂震える楽の座長挨拶聞いたことないんだけど!!!


Wカテコで幕が上がるとメインキャストとアンサンブルが入り乱れて肩組みながらモッチャモチャしてて、中でも最もノリノリだったのがガウチ&載寧の若者組でw、多分「オイオイ」掛け声かけながら飛び跳ねたかったんだろうと思うんだけど、如何せんメインキャストの7割が30オーバーのオッサンたちだから意図が伝わらず、結局グダグダの「ありがとうございましたー」になっちゃって苦笑してましたw。可愛いなぁオイ。



はぁーっ。ようやく書き終わりました。ここまで読んでくれた奇特な方がいらっしゃったらお疲れ様です&ありがとうございますw。
もしも再演が叶ったとしてもコマ劇場という特殊な空間ではできないわけで、そういう意味ではまるで戦場を駆け抜け命を落とした侍たちのように、最後に一花咲かせ、そして散っていく花のごとき舞台だったと思います。この舞台を見ることができてよかった。心の底から燃えて萌える充実した時間を過ごさせてくれたキャスト・スタッフ・スポンサーw全てに感謝します。お礼の気持ちとしてDVDは何本買えばいいですかっ!