永瀬 隼介『無人地帯』

無人地帯(ノーマンズランド)

無人地帯(ノーマンズランド)

かつての同級生が母校の中学に集まるところまではサイコサスペンス風味で結構よかったんだけど、そっから先が電波小説になっちゃって残念でした。最初から電波だったらそれはそれで楽しめるんだけど中途半端で尻切れトンボな電波・・・幼少期に受けた虐待・女装はいいとしてもそこでマンソンとか出されると途端に安っぽくなるよなぁ。
オオカミを自然に還す試みという共通点から先日読んだ今年度の乱歩賞受賞作(末浦広海さんの「訣別の森」)を思い出したのですが、オオカミってロマンを感じさせるというか、神秘的な存在なんだろうなぁと思った。強くて賢くて美しくて、でも今の地球では保護されなければ生きることができない脆さもあって・・・その魅力にとり憑かれる人が少なからずいるのは分かる気がする。