石田 衣良『非正規レジスタンス』

非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク〈8〉

非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク〈8〉

IWGPシリーズ第八弾。
うーーーーーーーーーーーん・・・・・・・・・・・・・・・いいかげん飽きてきた・・・・・・かなぁ。売りとしては“時代のリアルを色鮮やかに切り取る”とかそんな感じのシリーズだと思うのですが、4つの季節に起きた事件をまとめて1年に1作(1冊)出すパターンになってから、その“リアル”が2テンポぐらい遅れてるんだよなぁ。それだけ世の中の動きが早いってことなんだろうけど。しかも相変わらずのマコト文体がいいかげん若作りに思えてきた。つーかキングとマコトって今何歳よ?みたいなね。ガキの王とか言ってて恥ずかしくない?みたいなね。好きなシリーズだけになんだか胸が痛いです・・・。
で、飽きてきた最大の理由は、テンポのズレ云々ではなく、魅力的すぎるシリーズキャラに何の動きもないからなんですよ。誰一人何の変化もないっぽいからワンパターンとしか思えないんだよな。ほんと何歳になったんだか定かじゃないけど(シリーズ全作引っ張りだして年表作ればはっきりするけどめんどくさい)、例えばそろそろ初期から登場してるメンバーの誰か一人ぐらい結婚してもいい頃だと思うし、マコトが一つの物語を終えるたびにその物語で共に動いた人間を毎度毎度“今でもいいダチだ”とか言ってるけどその後それらしき描写は一切ないしね、例えば店番しながら電話で現況を話すとかさ、カメオ出演みたいな感じでいいから顔出しさせてくれればシリーズものとしてぐっと楽しめるのにと思う。なんだか“リアル”をIWGPの世界にというかマコトの周りに配置することでいっぱいいっぱいで、マコト(とまぁキングも)以外のキャラたちが二の次になってる気がするんだよな。ていうかキングに関しては毎回今日のキングのコーディネイト描写を入れろっつの!!。しかも今回は4作品中2作品が金持ちの親子喧嘩みたいなもので、なーんかIGWPって冠付けときゃそこそこ売れんだろという慢心が透けて見えたようでちょっと気分悪かったです。こんなクオリティで続けるならばもう終わってくれて構わないかも。